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シマダノメ

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シマダノメ Season3 第4回 深掘りインタビュー 田中悠也 選手

『シマダノメ 深掘りインタビュー』のSeason3第4回目は田中悠也選手の登場です。プロ3年目の今季、ついにJリーグデビューを果たした21歳のGKですが、負けられないゲームが続く中で臆することなく積極的なプレーを披露しています。初々しさの中に頼もしさも感じさせる田中選手の素顔をいろいろな角度からの質問で深掘りしていきます。(取材日/9月7日)。

―プロになった2019年はどういう気持ちでシーズンを過ごしていたのでしょうか?
プロ1年目はこの世界がどういうものかまったく分からなかったので、いろいろなことに慣れるのに懸命だったように思います。夏に同い年のナオキ(椿直起選手)が横浜F・マリノスからの期限付き移籍で入るまでは僕がチームで一番若い選手だったし、とにかく日々の練習についていくことに必死でした。
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―1年目でのプロ・デビューなんて考えられなかった?
試合に出たいという気持ちはもちろん持っていました。でも、そういう自分の感情と現実の乖離を感じていました。僕が1年目の時はタクさん(髙橋拓也選手/現・カマタマーレ讃岐)がリーグ戦でずっと出ていました。天皇杯の県予選決勝ではタクさんの代わりにゴットくん(後藤大輝選手/現・大宮アルディージャ)が出て、僕はそもそも競争の土俵に上がることさえできていないんだということを認識しました。だから、デビューというよりは、とりあえずその土俵に上がることが目標でした。
―プロ2年目は?
1年目でそういう現実を知ったので、まずはベンチ入りを目指そうと思いました。デビューしたいけれども何試合でベンチに入れるかを考えました。試合に出られるのが一人だけという特別なポジションでもあるので、そう簡単にポンポンと事はうまく運ばないだろう、と。
―3年目の今季はどういう気持ちでシーズンに入りましたか?
もともとプロに入る時に自分の頭の中である程度のプランは立てていました。1年目は高卒としての加入だし慣れるのに時間がかかるだろう、と。2年目は絶対にベンチ入りを果たそう。そして3年目は絶対にデビューをしたい、と。実際、2年目の松本山雅FC戦(第9節)で、初のリーグ戦サブメンバーに入りましたし、プランニング通りに事は進んでいました。でも、3年目、なかなかデビューできなくて正直、焦りはありました。
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―去年の9月末にケガをしたから、3年目のJリーグデビューが難しくなるとも考えた?
右脚すねのケガでしたが、「全治まで何カ月」と明確には言えない難しい状況で先が見えなかったので、余計に焦りはありました。同い年の選手、一つ上の選手がJ2だけではなくJ1でポジションをつかむのを見ると余計に、ですね。
―焦りがある中で、第12節・栃木SC戦で今季初のベンチ入り。続くV・ファーレン長崎戦と第15節・大宮戦でもサブメンバー入りを果たしました。このあたりで、そろそろデビューか、と感じたのでは?
栃木戦は勝ちましたが第13節の長崎戦は後半アディショナルタイムでの失点で負けましたし、チームの状況的にも苦しかったので、心の準備はしていました。
―結果的にデビュー戦は8月9日の第24節のFC琉球戦となりました。どういう形で先発出場を知らされたのですか?
ユウキ君(加藤有輝選手)がケガをしてから練習ではずっとスタメン組の方でプレーしていたので、うすうすと感じていました。実際に「琉球戦で行くぞ」とテッペイさん(上杉哲平GKコーチ)から言われたのは試合の前日です。
―それを聞いて何と思いましたか?
やっと来たかという気持ち、楽しみだなという気持ち。これが武者震いかと思いました。
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―デビューするとなるとご家族の方も喜んだでしょう?
ミクスタでの琉球戦には母、姉、一つ下の弟が見に来てくれました。
―ご兄弟が多い?
はい、5人兄弟です。
―えっ!
一番上の姉、その次に兄、3番目が自分、その下に二人の弟、という兄弟構成です。
―ご兄弟みなさんサッカーに関心がある?
下から2番目の弟は僕と同じ市立船橋高校(以下、市船)のサッカー部でキーパーをしています。兄は岩手県の社会人リーグでディフェンダーとしてプレーしています。
―弟さんは田中選手の姿を見てキーパーでプレーするようになったのでしょうか?
そこは分かりません。なぜかキーパー。僕と同じくらいの体格ではあるので、そこも関係しているのかもしれませんね。まだ線は細いんですけど。
―田中選手はお父さん似? それともお母さん似?
どちらですかねー。
―前々から田中選手は俳優の松山ケンイチさんに似ているなと思っているんですけどね。
それは中学の時に言われたことがあります。
―そもそも田中選手は、なぜサッカーを始めたのでしょうか?
兄は三歳上なのですが、その兄が幼稚園時にサッカーをしていて、そのお迎えについていって見たことで自分もやりたい、となったように覚えています。
―お兄さんと弟さんの3人でサッカーの話をすることは?
住んでいるところがバラバラで、今はこういう状況でもあり、なかなか会えていないんですよね。もともと、それほどサッカーの話をする感じでもありませんでしたし。
―弟さんがJリーガーになって兄弟GK誕生ということも?
どうですかね、そうなると楽しいですけどね。
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―話を戻します。デビューから3試合目の第26節・FC町田ゼルビア戦でご自身にとっての初勝利を経験しました。
結果がすべての世界で、デビュー戦が敗戦、次の愛媛戦が逆転に成功した後に追いつかれてのドロー。両方とも2失点しているので、勝ちたいんですけど、その前に失点数を減らさないと、という思いがありました。デビューが決まってすぐにその後の目標を設定しました。それは琉球戦を含めた残り19試合すべてに出ること、加えて19試合合計の失点を19点以下に抑えること。つまり、1試合平均の失点数を1点以下に抑える、という目標です。だから、琉球戦と愛媛戦で続けて2失点計4失点したことに対して、自分が出られなくなるというよりは、自分の目標に合っていないことへの悔しさが強くて、町田戦では何とか失点を抑えたい、と考えていました。
―第25節のアルビレックス新潟戦まで5試合に出場して5失点。
とりあえず、目標値にまでは戻りました。でも、ここからです!
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―町田戦での初勝利を機に自分は何をすべきかを考えたことはありますか?
一番大きいのはJ2残留を果たすために少しでも貢献しなければいけない、ということ。その中で失点をしなければどんなに苦しいゲームであったとしても負けることはないし、最低でも勝点1を拾うためにも、毎試合失点ゼロを目指そうと考えています。
―第27節のファジアーノ岡山戦と第28節の新潟戦はともに無失点による引き分け。
両試合ともに前の選手の頑張りがあっての無失点なので、僕自身はすごく助けられたと思っています。
―去年もそうですが、今季序盤に外から見ていたサッカーと、今のギラヴァンツ北九州がやっているサッカーに違いがあると思います。どう感じていますか?
去年は前からどんどん圧力を掛けていくサッカーでした。それをスタンドの上から見ると前から行くことでボールの近くは人で埋まっているのですが、後ろは数的不利な状況になっていたので、試合に出た時にこれはキーパーにとってはなかなか難しいのではないかと感じていました。でも自分が試合に出るようになってからのチームのスタイルは、前からもボールを奪いに行くのですが、セットしてブロックをつくっての守りを併用するように変わりました。それは残留するための堅いものではあるのですが、個人的にはプレーしやすいと感じています。
―以前の攻撃的スタイルはキーパーにとっては守りづらい?
僕は経験不足ということもありますし、実際にそう感じた時はプロの舞台でプレーしたことがなかったので、そういうスタイルの中でプレーすることに不安があったことは確かです。でも今は、それもやってみたいとも思えるようになってきています。今後のことを考えると、いろいろな監督の下でプレーすることになるでしょうし、それぞれ異なるスタイルの中でのプレーを、それぞれに大変なことはあると思いますが、それを受け入れて、どうせやるんだったらポジティブな気持ちで楽しむべきだ、と思えるようになりました。
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―田中選手は足下の技術も高いので、去年のような最終ラインの背後に大きなスペースがあるような、また後方からしっかりボールをつないでいくサッカースタイルの方が好みかと思っていました。
今はキーパーにも足下の技術が求められているので、そこはしっかり能力として身に付け、ピッチで表現することは大事だと思います。でも、結果的にキーパーの評価は失点を防げるかどうかだと思うので、僕はそこを強く意識しています。
―新潟戦では後半に迎えたピンチの場面で相手の強烈なシュートをブロックするなど、特徴を発揮しました。一方でセットプレー時のポジショニングで優位に立てず自分がプレーしづらくなるような状況が何度かあったように思います。
そこのポジショニングのところの駆け引きはもっとうまくならないといけないと感じています。
―駆け引きとは?
例えば、自分が取りたいと思うポジションに最初から立つと、自分の前に相手選手が立ってブロックされてしまうので、最初は違う場所に立っておいて、キックの瞬間に移動するとか。あとは、味方をうまく利用して、僕の前に立とうとする相手選手の間に入ってもらって僕へのブロックを阻止してもらうとか。
―試合に出るようになって自分の中に起こった変化は?
今までよりも細部にこだわるようになりました。同時に、当たり前のこと、基本的なことをより忠実にやろう、と考えるようになりました。
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―試合に出て基本的なことがまだできていないと感じたから?
いいえ、そうではなくて、よく言われることではあるのですが、ピッチ上でキーパーがチームメイトに安心感を与えることが大事だと肌で感じたからです。キーパーが当たり前のことをちゃんとすることで、ほかの選手は安心して自分のプレーに集中できることを実感しました。
―東京オリンピックでプレーした日本代表はU-24のチームで、田中選手と近い年齢の選手が多く、正GKを務めた谷晃生選手(湘南ベルマーレ)は同じ21歳です。何を感じましたか?
プロサッカー選手としてプレーしている以上、カテゴリーは問わず『日本代表』は目指すべきところだと思うので、ああやって世界の舞台で戦っているのを見たら、憧れというか、いいな、と思います。でも、谷選手に関して言えば同い年で、そういうところに自分が入ろうとする時にはライバルの一人になるわけで「越えたい」とも思いました。
―今、谷選手との間にある距離はどの程度のものだと感じていますか?
正確には分かりませんし、他の人が見たらどう思うかは分かりませんが、僕は雲泥の差はないだろう、と感じます。
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―その差を縮めるため、あるいは代表と名の付くチームに入るために自分が身に付けなければならないことは?
自分の頭の中にある想定範囲を広げること。相手が想定外のプレーをした時に対応することができなくなるので、その想定の範囲を広げること。例えば、僕のデビュー戦となった琉球戦での1失点目。FKを人壁の間を通されて決められたものですが、あの時の自分は壁が割れるとは思っていなかったから反応できなかったわけで、もし壁が割れる可能性を頭の中に置いていれば、もしかしたら阻止することもできたかもしれない。そういうことです。
―それは経験を重ねることで広げることができる?
そうですし、あとはもっともっと見ること、もっともっと考えることで広げられると思います。
―キーパー陣の中で最年少の田中選手が先発出場することで、他の先輩キーパーに気をつかうことがあるのでしょうか?
ユウキ君がケガをしてからも3人で良い雰囲気の中で頑張っています。志村(滉)さんはフレンドリーに接してくれるし、ケンシン君(吉丸絢梓選手)も普通に僕に絡んでくれているので、やりづらさとか、僕が気を使うということもありません。ただ、キーパー陣を代表して試合に出場しているという自覚、責任感は強く持ってゴールマウスに立っています。
―練習や試合における田中選手のコーチングが非常に厳しい言葉遣いであることに気づいて、別企画のインタビューで志村選手と加藤選手に聞いたら「間違っていないのであれでいいと思います」と返されました。
まず、ピッチに立ったら年齢は関係ありませんから、ミスとかやるべきことをやっていない時は先輩でも厳しい声を飛ばす。
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―それはプロ1年目からできていた?
いいえ。それができるようになったのは今年からだと思います。
―やはり3年目でのデビューが目標だったから。
そうですね、それくらいの強い気持ちでやらなくちゃ、という考えもありました。
―特に紅白戦では厳しさが増していたような。
サブ組の僕にとっての一番のアピールの場は練習時の紅白戦、紅白戦が僕にとっての公式戦です。そういう認識でプレーしていたので、やられちゃいけないことははっきりと言いました。サブ組の一員として紅白戦に出るときは、相手に必ず勝つこと。勝ち続けることで監督やコーチが「アイツが出ている方は負けないよね」と感じさせることができれば僕の勝ち、じゃないですけど、そうやって僕に対する見方を変えなくちゃいけないと必死でした。
―いまのキーパー陣との比較で個人的な特徴を挙げるなら?
ビルドアップのところ、足下の技術はみんなうまいので、クロスボールの対応と、そこに関係するのですが、身体能力、特にジャンプ力には自信を持っています。無理な体勢でもいろいろなことができる、とか。
―チーム内で仲が良い選手は?
同い年のナオキとは仲が良いし、ダイゴ君(髙橋大悟選手)にもよくしてもらっていますが、今はコロナ禍のルールとして誰ともご飯に行けないので、市船の先輩であり、キーパー陣として練習でいつも一緒にいるのもあるし、志村さんと一緒にいる時間が長いですね。
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―日本、海外で好きなキーパーは?
好きというより、参考にしているのはカスパー・シュマイケル(イングランドのレスター所属、デンマーク代表)とかアリソン(イングランドのリバプール所属、ブラジル代表)です。
―例えばアリソンのどこを参考に?
まず基本的なところがしっかりできること。あとは止まって反応するところ。
―キーパーにとって『止まる』って大事なことですか?
素早く動く、素早く反応することも大事ですが、それと同じくらいに、相手にシュートを打たれる瞬間に止まっていることも大事。PKの時は『賭ける』こともありますが、流れの中で「こっちに来るだろう」と読んで賭けて動いてしまうと、動きとは逆の方を狙われた時に反応ができない。止まっているからこそ反応もできる。という考えです。
―ここ最近、チームは粘り強く戦えていると思いますが、ここから先、最後の最後まで気を抜けない戦いになるように思います。残留を果たすためには何が必要だと考えますか?
中断開けからやっている守備方法など戦術的な部分はうまく行っていますが、思うように勝点を積み上げられないとか、試合出場の機会が減るという状況になったら、どうしてもネガティブな感情が大きくなると思います。でも、自分が毎日意識しているのは、サッカーを楽しむこと。そもそも好きで始めたサッカーですから、毎日サッカーを楽しめたら、それでいいかな、と。楽しんでいる人の方が楽しんでない人よりも成長の幅は大きく、スピードも速いと思いますし、逆境とか苦境にも強いと思う。結果は未来のことなので分からないので、自分が意識していることは、今を全力で楽しむこと。逆境も含めて全部を楽しむ。そういう考えで練習と試合に臨みプレーをすることが僕は大事かなと思います。
―『楽しむ』という言葉の捉えられ方もいろいろとあります。
『楽』は『らく』とも読みますし、確かに軽く聞こえる言葉かもしれませんね。でも、きつい練習も「こんなの無理だよ」と思いながらやるよりも「よし、やるか」と思って臨んだ方が身につくし、自分のためにもなる。そうやって個人が楽しめば、それはチームに伝播していく。実際には、そういう良い雰囲気やポジティブな考えは伝播しにくくて、ネガティブな考えの方が伝播しやすいものだとは思いますが、それでもそこでやめたらゼロになるので、なかなか伝わらなくても自分は楽しむことを止めないでおこうと思います。「悠也はなんでいつも楽しそうなんだ?」って思われるくらいでいいと思っているので!
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文・島田徹 写真・筒井剛史
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今回のイチオシ商品

チンジャオロースセット
(冷凍/牛肉160g・たけのこ120g・たれ40g×2)
定価862円(税込)

牛肉の竜田揚げ、たけのこ、たれがセットになっているから、ピーマンを加えるだけで本格チンジャオロースが作れます。ご飯がすすむ、まろやかでコク深い味わいです。

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田中悠也選手の一口感想

「本当においしいです!小さい子でも食べられそうな味付けだと感じました。 実際に自分でも作ってみようかなと思います!」

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