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シマダノメ

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シマダノメ 第5回 深掘りインタビュー 新垣貴之選手

『シマダノメ 深掘りインタビュー』の第5回目は、今季加入ルーキーの一人、新垣貴之選手の登場です。キャプテンの内藤洋平選手や加藤弘堅選手から「今、一番気になるヤツ」として名前が挙がるミステリアスな男の知られざる素顔を深掘りしました。
ようこそ、未知なるガッキー・ワールドヘ!(取材日=2019年3月20日)。

―まずはお名前の確認から。「アラガキ」さんではなく「アラカキ」さんなんですね?
はい。そうです。
―でもニックネームは「(アラ)ガッキー」ですよね。どういうことですか?
(流通経済大柏)高校の時に「ガッキー」と呼ばれるようになりました。最初は修正しようとしたんですよ、アラガキじゃなくてアラカキなんだから、「ガッキー」は違うって。でも何回言っても誰も直してくれない。だからあきらめたんです。もう「ガッキー」でいいやって。
―女優の新垣結衣さんも新垣選手と同じ沖縄県出身ですよね。彼女は「ガッキー」の愛称で親しまれていますが、もしかして……。
たぶん、彼女も本当はアラカキさんで、僕と同じくあきらめたクチだと思いますよ、知りませんけど(笑)。
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―「沖縄時間」についてよく耳にします。時間にとてもルーズな県民性だと。でも、新垣選手は高校から関東に出ていって、しかも強豪校の体育会系のチームに属したわけで、そこは時間にとても厳しい世界だったと思うのですが、やはり苦労したんでしょうか?
部活は時間に厳しい世界ですから、遅刻しようものなら、もうとんでもない目にあうわけで。特に朝が苦手で何回か遅刻しそうになりましたが、仲間に助けてもらいました。高校も大学も寮生活で4人部屋でした。だから同部屋の3人に起こしてもらって助けられました。そうやって高校の3年間で何とか“標準時間"を身につけて、大学生になった時にはさすがに一人で起きられるようになりました。
―部活以外での時間についても“標準時間"で行動を?
サッカー以外のところでは沖縄時間のまま、しっかりと遅れていましたね。18時集合の場合、18時に家を出る、というのが沖縄時間だと聞いたことありませんか? あれ、大げさじゃなくて本当なんです。もちろん、沖縄にだって時間を守る人はいます。そうですね、例えば8人グループだとしたら、その中の一人は集合時間を守りますけど、あとの7人は……。だから、みんな「どうせ時間通りに行っても誰も来ていない」と考えて18時に家を出るんです。
―「例えば」の数がなぜ「8」なのかは置いておくとして、時間を守った人はさすがに怒るでしょ?
それはないですね。もし、僕が何らかのアクシデントで(笑)時間通りに待ち合わせ場所に到着して、あとの7人が遅れてきても怒ることはありません。実際にそういうこともありましたし。あっ、でも、さすがに8番目に来た人は文句を言われるかなぁ。今でも沖縄に帰ると、きっちり沖縄時間に戻ります。
―出身中学は小禄(おろく)中学。新垣選手以外にもJリーガーを輩出している有名な中学校なんですよね?
そうですね、ジュビロ磐田の田口泰士さん、栃木SCの古波津(こはつ)辰希さん、かなりの先輩になりますが、カマタマーレ讃岐の我那覇和樹さんにファジアーノ岡山の赤嶺真吾さんですね。特にサッカーが盛んな地域という感じではないんですけどね、そのエリアに5つぐらいの小学校があって、そこから生徒が集まる中学なんです。那覇市内、空港から5分くらいのところにあります。
―プロ生活1年目、戸惑うことはありますか?
サッカーするってなるといろいろ荷物が多いじゃないですか、スパイクにユニホームにジャージにバスタオルにと。だから試合に行くときなんか準備が大変だし、持つのも大変だったんですけど、プロになったら全部スタッフの方が準備してくれてロッカールームまで運んでいただけるので、持つべきものがなくて逆に不安になること、ですかね。
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―開幕から2試合に先発していますが(取材日は第2節終了時点)、自己評価は?
100点満点で言うなら30点くらい。試合にもうまく入れなかったですし、ボールに触る回数も少ない。後半に入って少しギアが上がりはしたんですけど。とにかく悔しかったです。
―なぜ、そうなったかの理由は?
僕の後ろにいたダイチさん(川島大地選手)も慣れない右サイドバックでのプレーなので、二人のコンビネーションがいま一つだから、チームとしてのボールの流れが、どうしても調子のいい茂(平選手)さんと新井(博人選手)の左サイドのほうに行く傾向になった、というのも理由の一つかなと思います。ほかにもいろいろなことが重なっての結果だとは思うんですけど、とにかく悔しくて、ずっとモヤモヤとした感じなんですよね。
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―やはりたくさんボールに触れることで自分のリズムをつくっていくタイプなんですね?
そうです。最初はボールを持つ時間自体は短くていいんです。来たボールをワンタッチでパーンとはたくことを繰り返しながら徐々に試合の流れというものに慣れていって、そうしながら徐々に自分のポジションを上げていき、ある程度のところまでポジションが上がったら、あとはドリブルで仕掛ける。そうやってリズムをつくりたいんですが、自分のポジショニングが悪いことと、さっきも言ったように左サイドでボールが回ることが多く、なかなか自分がいる右サイドにボールが来なくて焦れて、まだ試合の中に入れていないのに、もう仕掛けたくてどうしようもなくなって、ボールを受けた位置がまだ低いのにも強引にドリブルで仕掛けて、それで抜ければまだましなんですけど、そこで取られて、さらにリズムが悪くなる。その繰り返し。まさに悪循環ってヤツです。
―新垣選手の中では、どういう状態になったら良いプレーが出るのでしょうか?
やはりボールに触る回数が多いときですね。たくさん触れるとノッてくる。ノッてくると今も右サイドハーフでプレーさせてもらっていますが、右から中へドリブルでカットインして、そこからさらにカットインしてアシストやゴールにつながるプレーができるようになる。そういうプレーが連続すれば、さらにノッていけるんです。
―リオネル・メッシのように?
そうです、そうです!あとは、ユベントスのパウロ・ディバラみたいに! その二人のプレーは好きだし、参考にしています。メッシはとりあえず全部(ドリブルで)抜けちゃうところがすごい。ディバラは自分でシュートを打って決めてやろうという意欲がすごく強くて、それこそカットインの連続で真ん中に出ていくんですけど、相手もそれを警戒しているから、なかなかシュートが打てなくてアシストに狙いを切り替えるところとか、いいんですよね。
―新垣選手もドリブルにはこだわっているんでしょう?
はい。本当はもっともっとやりたいんですけど、さっき話したような現状なので、シンプルにプレーすることが多くなっているんです。僕のドリブルはスピードで抜くとか、フェイントの連続で抜くというよりも、相手の逆を突くとか、タイミングを外すとか、スピードを変えるとか、相手との駆け引きを楽しみながら抜くタイプのドリブルなんです。相手の逆を突くってところに快感があるんですよね。
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―でも、今はそれもうまくいっていない、と。
そこにこだわり過ぎてうまくいっていないということが分かっているので反省しなくちゃいけないんですけど、うまくいかないからシンプルなプレーをしているという自分にも納得していない。うまくいかないけど、そこでやめるんじゃなくて、やり続ける強さも必要なんじゃないか、と考えたりするんです。いま、正直、悩んでいる最中です。
―守備への意識が自分らしさを出せていない理由の一つになっているのでしょうか?
それは関係ないですね。うまい守備をすることは自分にはそもそも無理なので、ただ頑張るだけ。本当は、守備のことも考えてプレーしているから攻撃で思い切れない、そういうこともあるのかもしれないけれど、守備で頑張らないと試合には使ってもらえないし、特別に難しい守備を要求されているわけでもないのに、そのせいで攻撃の方で良いプレーができないとは絶対に言いたくありません。
―新垣選手は自分の右足の質に関してどう評価しているんですか?
僕と同じ左利きの選手の多くは、ほとんど右足を使わないと思うんです。そういう人たちに比べれば、少し質の高い右足を持っていると思っています。でも、試合ではほとんど使いません、いや使いたくないですね。
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―使いたくないのはなぜですか?
相手の対応としては僕の左足に制限をかけるようなポジショニングや体の寄せ方をしてくる。そうすることで、右側に追い出して右足でボールを蹴らせようとする。その通りになってしょうがなく右足を使ってしまったときが僕にとっては屈辱。「負けた!」と思っちゃうんです。左を切られても、それでも左を抜いて行きたい。
―チーム内の左利きは、新垣選手のほかには誰がいますかね?
レレ(ディサロ燦シルヴァーノ選手)と、新井とダイチさんですね。レレがフォワードというポジション柄一番右足を使うレフティーだと思います。
―新井選手と川島選手、同じ左利きでも違いがありますか?
新井はスピードボールを蹴りたいタイプなので、ボールを受けるときは体をオープンにしていることが多いと思います。ダイチさんは、ファンタジスタ系の選手なので、何でもできるようなところにボールを置く柔軟性のある持ち方が特徴だと思います。
―それぞれの良さを真似しようと考えますか?
それはありません。新井もダイチさんも小さいころからボールに触りながら身に付けたものだから簡単には真似できないでしょうし、僕は僕で自分なりの持ち方というものがありますから、それを崩すつもりもありません。
―自分なりの持ち方をどうやって身に付けたのでしょうか?
とにかくたくさんボールに触って自分のものにした、としか言えませんね。
―嫌いなプレーって何ですか?
例えば「1対1」の局面なのにドリブルではなく味方への横パスを選択すること。「1対2」の数的不利な状況でそれをやるなら分かるんです、いや、それも自分がもう1回前で受けて抜けるための横パスだけですね、許せるのは。あとは、カウンターの場面でお客さんも「いけ!」ってなっているときに、スピードダウンして味方の上りを待つとか。そういうのが大嫌いです。セーフティーなプレーが必要だということは理解していますが、セーフティーなプレーは嫌いでもあります。
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―今、チームで一番気になる選手は誰ですか?
チームに来たばかりのころは、ヨウヘイさん(内藤洋平選手)とか、コウケンさん(加藤弘堅選手)が気になっていたのですが、二人ともよく僕に話しかけてくれるので、話すことで人として理解できたんです。でも、イケ(池元友樹選手)さんがね~。話してくれないわけじゃないですよ。
―でも、理解できない、よく分からない人?
いや、そういう言い方はやめてください。確かに、理解できないところがあるので、気になるわけですけど。あれなんです、イケさんて「普通なら打たないよな」と思うような場所やタイミングで平気でシュートを打つじゃないですか。そういう時に「あれ、この人、何を考えているんだろう?」と思っちゃうんですよ。また、そのシュートが正確で。自信があるから打つんだろうし、意外なタイミングであえて打つようにしているんでしょうけど、そういう感覚が僕にはないから不思議に思えるし、経験値の違いもあるんだろうし、とかいろいろ考えながら、よく観察しているんです。
―ほかに理解できない人は?
理解できないとかではないですけど(笑)、ショウタさん(井上翔太選手)も不思議な人ですよね。見た感じが、ああじゃないですか、でも言うときはしっかり物を言うし、うまいから攻撃にどんどん出ていくのは分かるんですけど、守備もすごく意欲的にこなすでしょ?だいぶつかめてはきているんですけど、まだ十分な手ごたえがない感じですね。
―自分に感覚が近いと思う選手は誰ですか?
ダイチさんですね。もちろん僕なんかより全然すごい選手なんですよ。でも、例えば、相手を背にした状態から脱出するときのアイディアとかは「やっぱり、そうだよね」と思うことが多いんです。だから本当はアイディアを出しながら二人でサイドから崩したいんです。でも、いまは僕がいま一つの状態なので、ダイチさんが気を使ってあまり前に出てこないようにしていると思うんです。そこは本当に申し訳ないなと思っているので、早く良いコンビネーションが見せられるように、僕がしっかりしないと。
―小林伸二監督からよく言われることは?
戦術的な部分での要求はもちろん言われることはあるんですけど、あまり細かいことは言われません。あっ、「あまり低いところでの『股抜き』はするな」とは言われました!
―でも、股抜きは快感でしょ?
快感ですね。股抜きをした後のその選手は熱くなるでしょ、それもまた面白い。熱くなって次はものすごい勢いで突っ込んで来るから、それを利用してサッとかわすのがまた面白い。きっとダイチさんもそうだと思いますよ。そういう僕らって、やっぱり変わってるんですかね?
―正真正銘の変人だと思います。
じゃ、変人の僕が「変わってるな」と思ってしまうイケさんはどうなるんですか!
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―では最後に。今季終了後にどんなカタチの成果を残したいと思っていますか?
個人的には、ドリブル突破からのシュートで5ゴール。チームで協力して相手の守備陣を崩して最後に自分が決める、というゴールを5つ。それで最終的に二けたのゴールを奪いたい。あとは、いまチームとして粘り強い守備を見せることができているんですが、堅守という評価の中で自分もそれに貢献したんだと思えるような働きをすること、です。

文・島田徹 写真・筒井剛史

(次回シマダノメ『深掘りインタビュー』の第6回目は4月下旬ごろにアップ予定。登場する人物は?お楽しみに!)

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