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シマダノメ

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シマダノメ ピンポイントーク 第2回 加藤有輝 選手 × 志村滉 選手

『シマダノメ ピンポイントーク』の第2回目に登場するのは、今季からチームに加わっているGKの二人。ジュビロ磐田から完全移籍加入の志村滉選手と、大宮アルディージャからの期限付き移籍で加わった加藤有輝選手です。今回のテーマは、GKにとって重要なスキルの一つである『コーチング』です(取材日/6月30日)。

―加藤選手、ご結婚おめでとうございます!
加藤
ありがとうございます!
志村
おめでとう!
―志村さんはまだ独り身ですね。ご結婚のご予定は?
志村
さあ、どうでしょうか!(笑)
―ご結婚されてから加藤選手に変化を感じますか?
志村
変化なし!
加藤
大宮にいた時からお付き合いさせていただいていましたし、こちらに付いて来てくれて一緒に住んでいたので、それほど大きな変化がないというか…。
志村
なるほど、なるほど~!
―今日のテーマは『コーチング』でお願いしたいと思って来たのですが、『結婚』でもいいかもしれませんね。
志村
どっちにします?
―未婚ですから、志村さんはまだ語れませんよね?
志村
そうですけど、語っておいても損はないかな、と。
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―やはり『コーチング』でお願いします。コーチングはどう定義していますか?
志村
キーパーとしての僕がゴールを守るために、あるいはチームが失点しないようにするために、僕の声によって味方を動かす、あるいは僕の声で味方にいろいろな情報を与えてその選手がプレーしやすいようなサポートをする。そういうとらえ方をしています。伝えどころとタイミングでその意味も目的も変わってきますね。
加藤
自分たちが攻められている時、逆に自分たちが攻めている時の声掛けも同じコーチングですが、目的と内容は違います。
試合中だとサポーターの方々の声援もあるし、自分の声が遠くにまで届かないので、近くにいる選手に伝えます。例えばキーパーにとってはセンターバックが一番近い選手なのでそこに声で伝えることが多いですし、その内容がほかのポジションの選手にも伝えてほしいことであれば、センターバックがボランチに、ボランチがトップに、と言葉をつなげていくんです。
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志村
そこにも連動性というのが求められる。そもそもコーチングというのは声による指示や情報提供をすることなので、キーパーの僕らだけが行うスキルではないんです。どのポジションの選手も声を出してコーチングを行っています。
―キーパーには非常に多くの技術やスキルが求められます。例えばキャッチングやキックなど。そういう技術は練習を積んでいくうちにレベルアップを自身で感じられるのだと思いますが、コーチングについて「自分は成長したな」と感じる瞬間があるのでしょうか?
志村
成長というか、例えばある形で失点したとします。その後、あるいは次の練習時にディフェンダーたちと、例えばこういうポジショニングを取ってほしかった、あるいは取ってほしいというようなコミュニケーションを取って、次に同じような場面が訪れた時に、そのディフェンダーが僕の声を待たずに以前話したポジショニングを取ってくれた時は、成果を感じます。成長ではないかもしれないし、それがコーチングと言えるかどうかは分かりませんが、僕の場合はプレー中というよりも、練習メニューの間や、試合中のプレーの合間に話すことが多いんです。
加藤
確かに、コウ君(志村選手)はプレー中に声を出す機会が少ないタイプだと思います。僕はほかのキーパーがどんなコーチングをしているのかが気になるし、そこから学びたいので、よく聞いているんですが、プレー中のコウさんは静かなほうです。
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―声を出すと自分の集中力が途切れてしまうのでは? 例えば相手がシュートを打ってくると思うような場面でも声を出すものですか?
志村
いいえ、出すのは難しい。やはりそこは自分のプレー、相手との駆け引きに集中しておかないといけない。
加藤
その時に起きることに対してコーチングするのではなく、それが起きることを予想して、それに対応するためのコーチングであることが大事だと思うんです。例えばシュートを打たれないような位置に味方を動かす、そういうようなことです。
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―コーチングには、その人の性格が表れるものですか?
志村
性格かどうかは分かりませんが、それぞれに特徴はありますね。
―志村さんは加藤さんのコーチングを聞いて、どんな特徴を感じますか?
志村
常にしゃべっているというイメージがあり、その内容も結構、細かいですね。きっと細々とした性格なんだろうな、と(笑)。問題を一つひとつつぶしていきたいタイプなんだろうと思います。
加藤
みんな失点するのは嫌でしょう? だから失点しないために、いろいろなことが気になっちゃうんですよね。
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―あまりしゃべらない志村選手とは対照的ですね。
志村
僕も話さないわけじゃない。さっき話に出た集中力というところもあるし、瞬時に状況が変わるので、なるべく分かりやすく、短い言葉で伝えようとすると、コーチングの絶対数が限られてくる、ということなんだと思います。あと、これも先ほど話しましたが、プレーが切れた時のコーチングの方が伝わりやすいと僕は考えているので。
―言葉のチョイスも大事なような気がします。時には、「オレの言葉が伝わってないな」と感じたりすることもあるのでは?
志村
ありますね。こっちの言葉の選択の問題もあるし、あとは単純に味方選手が聞いていない時もある(笑)。
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加藤
顔をこっちに向けないけど、手で「分かった」という合図を出してくる選手もいて、そういう時には「いいヤツだなぁ」って。そもそもこちらは返事をしてくれるとは思っていないし、それを期待しているわけではないので、別にいいんですけど、でも、サムアップしてくれると、うれしい(笑)。
―田中悠也選手の練習中のコーチングを聞いて、結構、厳しい言い方をするんだなと感じたことがあります。
志村
最年少ですけど、内に秘めているモノはキーパー陣の中では一番熱いので、結構厳しい言い方をしますね。
加藤
怒らせたら一番怖いタイプです(笑)。
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―加藤さんから見て、志村選手はどんなキーパーに見えているんですか?
加藤
1対1に入ったら、マジ強い。今まで見てきたキーパーの中では一番ですね。独特の間合いがあるんでしょうね、その間合いに持って行くのがうまいからシュートが体のどこかに当たるんですよね。例えば狭いコートでの4対4の練習では比較的相手と1対1になる場面が多くなるのですが、コウ君が体のどこかに当てて防ぐ場面が多い。よく見ていてください。
―キャッチしなくても、体に当てて阻止するのも十分なファインセーブなんですね?
加藤
そうですよ!
―志村選手、1対1で強さを発揮するための極意は?
志村
極意、それは言えません! というか、本当のところは自分でもよく分かりません! ただ、シューターとの駆け引きはしています。
加藤
そこがうまいんだと思いますよ。
―少しほかのGK陣の話も。吉丸絢梓選手はどういうところが特徴のキーパーですか?
志村
スピードがあるし、あとは無理が効く、というか。バネがあるので、最後のひと伸びがすごいんですよね。
―田中選手は?
加藤
ユウヤのプレーを見ていて「オレと似ているな」と思うことが多いんですよね。
志村
そうだね、パワー系というか。でも、キャッチングは柔らかい。
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―吉丸選手がスピード系、加藤選手と田中選手がパワー系に分類されるとすると、志村選手は何系ですかね?
加藤
日本人っぽくないんですよね。
志村
あ、それ高校の時に言われたことがある!
加藤
海外選手みたいなんですよね。
志村
おそらくは型にハマっていない、自由系? 感覚的なところで勝負するというか、そもそも理詰め、というのがあまり得意な方ではないので。
―自分の生き方や考え方から来るようなプレースタイルという理解でよろしいでしょうか?
志村
ありがとうございます。それで間違いないと思います(笑)。
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―いまチームは特に点を取るところで苦しんでいますが、キーパーとして何か思うところはありますか?
加藤
攻撃は自由にやってほしいですね。僕らはビルドアップにはかかわりますが、相手ゴール前にボールが行くとできることはそれこそカウンターに対するリスクマネジメントくらいですから。
志村
消極的にならずに、どんどんチャレンジしてもらいたい。後ろにいるからこそ、そういう思いが強いですね。シュートが打てそうなところにボールを運べた時はいつも「打って!」と思っています。
加藤
キーパーからしたら、シュートを打たれること自体が嫌なんです。そんなに際どいシュートでなくても、打たれるとエネルギーを使うわけですからね。それを分かっているからこそ、「打て!」と思うんです。
―またコーチングの話に戻ります。厳しいコーチングをした時にイラッとされることはありませんか?
志村
イラッとはしていると思います。でも、例えばユウヤ(田中選手)が厳しい言い方をする時はちゃんと理由がある時だし、言われる方にも何らかの心当たりがあるもんです。
加藤
イラッとされるけれども、それを気にしていたら良いコーチングはできませんから、キーパーはあまり気にしないと思います。キーパーって一番後ろから全体を見ている、見えている選手ですから、大きく間違ったことは言わないという自信もあるし、言う分だけの責任感と覚悟を持っています。
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―ビジネスの世界でも『コーチング』という言葉は使われていて、それは主に社員の良さや自主性を引き出すためのアドバイス的なものを指すことが多く、特定の答えを教えることは『ティーチング』と呼んでいるようですね。
加藤
僕らの世界ではそこを分けていないように思います。いわゆる良いプレーをした味方をほめるというコーチングは、その選手の特徴を引き出すという意味でのティーチングになっているということですよね。
志村
オレ、ほめるの好き。「ナイス~!」って声かけるのが大好き。
―人によってかける言葉を変えるということでしょうから、キーパーって結構、ほかの選手のことを観察しているのでは?
志村
そうかもしれません。
―細かいところにまで気を配る、という意味でキーパーって大変なポジションでもありますね。
志村
精神的にエネルギーを使うポジション。その代わりフィールドプレーヤーはフィジカル、肉体的なエネルギーを消費しますから、どちらも大変です。
加藤
キーパーってやることが本当に多い。ゴールを守ることはもちろんとして、コーチングもそうですし、ビルドアップなど攻撃面での仕事も求められるし、ボールを奪われたらスペースのケアもしないといけないし……。
志村
相手のゴールに向かって攻めていたら攻めていたで、カウンターの準備をしないといけないしね。
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―守備時のコーチングはイメージしやすいのですが、攻撃時のコーチングについては?
志村
単純に攻撃に関するコーチングだと、相手の選手が「ボールに寄せてきているぞ」とか「そこはターンして前を向けるぞ」とか。でも、ボールを相手ゴール前まで運ぶことができた時は、もう声が届かないので、コーチングらしいコーチングができません。言うとすれば、さっき話した「シュート!」くらいですね。
―コーチングの重要性を意識するのはどのくらいの年齢からですか?
加藤
僕がキーパーを始めたのは中学に入ってからでしたが、中学生の最初のころはそれこそコーチングとは呼べないような「頑張ろうぜ!」くらいですよね。具体的な指示とか声掛けをするようになったのは中学3年、高校に入ったころからだと思います。
志村
僕も高校からですね。
―プロになってからGKコーチに何かアドバイスを受けることはありますか? 今だと上杉哲平GKコーチからどんなことを言われますか?
加藤
こういう内容でしゃべりなさい、と言われることはありませんが、「厳しくプレーさせるためにもう少し厳しめの口調で声を出した方がいいんじゃないか」というようなことは言われます。
―いつも優しいだけではダメ、ナイス、ナイス! だけではいけない、と。
志村
そういうことですね(笑)。
加藤
でも、コウ君はあまり怒らないよね?
志村
怒らないですね。性格なのかな、怒るよりも話し合い、という感じですかね。たぶん、怒った方が良い場面もたくさんあるんだと思いますから、そこが僕の課題でもあります。
―志村選手は今季、第8節の京都サンガF.C.戦で1-6の敗戦を経験しています。志村選手のビッグセーブは多かったのですが…。ああいう試合でのコーチングの声って小さくなるものですか?
志村
入りは良かったのですが、気が付けば…、という感じでした。自身の反省点も多い試合だったので、やっぱり悔しかったですね。最後はやっぱりコーチングの声も小さくなっていた、と思います。
―大量失点をした時のキーパーの気持ちというのは?
加藤
おととしの愛媛戦で5失点したこと(第29節、大宮が1-5で敗戦)がありましたが、もちろん悔しいんですけど、「ここまで取られたか」というか割り切りやすい、というか、逆に0-1で負けた時の悔しさの方が大きかったりしますよ。
志村
でもね、大量失点は後に引きずります。なにせ6失点ですから! 僕だけの責任ではないと周りは言ってくれますけど、「いや、どうにかできたんじゃないか」という気持ちがありますからね。
加藤
でも、フィールドプレーヤーの中にも「ああ、あそこでオレがこうしておけばな」と考えている選手も絶対にいますからね。
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―大量失点かどうかに限らず、悔しい敗戦後、次の試合に向けてどうやって気持ち切り替えていくのですか?
志村
僕はディフェンダーとの話し合いですね。次に同じような失点をしないためにどうすべきかを考えて、そういうプレーができるように練習に取り組む。あとは、自分のポジショニングとか、自己分析を徹底します。
―理想とするコーチングは?
志村
自分のところにボールが飛んでこないようにするコーチングですね。味方をうまく動かしながら相手の枠内シュートをゼロ本に抑えられるようなコーチングができれば理想的です。
加藤
さっきも話しましたが、その場、その場のことをコーチングしていても、徐々にズレが生じて、いずれ自分のところにシュートが飛んでくるので、一つ前の段階で情報を与える。コウ君と同じですが、最終的に相手にシュートを打たせなければ失点しないわけですから、そういう状況に導くコーチングができれば最高ですね。
―今までにそういう素敵なコーチングができたことは?
加藤
完璧な試合というのはまだありません。
―それは可能なことなのでしょうか?
志村
不可能ではないと思っています。
加藤
僕らはそこを目指してやっていますから。
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文・島田徹 写真・筒井剛史

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