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シマダノメ

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シマダノメ Season2 第4回 深掘りインタビュー 福森健太

『シマダノメ 深掘りインタビュー Season2』の第4回は、両サイドバックを務めて攻守で活躍する福森健太選手の登場です。昨季はシーズン半ばまで出場機会に恵まれませんでしたが、そこから定位置をつかむまでのメンタル・コントロールについて、また両サイドでプレーする際の工夫、クロスやセットプレー時のキックなど技術的なところも含めて深掘りしてきました。(取材日=2020年8月26日)

―チームが好調ですが、その要因がどこにあると思いますか?
チームで戦えている、からだと思います。シンジさん(小林伸二監督)がやりたいサッカーを選手たちが理解し、それを実際にゲームで表現できている。また、選手一人ひとりのモチベーションとか意識が去年よりも高い。つまり、チームとしての理解度、表現力と準備のところを含めた個人のパフォーマンスがうまくかみ合っていることが要因だと思います。
―そうなるにあたって去年1年の経験は生きていますか?
そう思います。去年の戦い方がベースとしてあっての、継続と積み上げですからね。
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―今季になってチームとして成長したと感じる部分は?
守備が自分たちの大きなポイントだと思っていて、そこの精度と威力は去年よりもかなり増していると思います。それが結局、良い攻撃にもつながっている。相手ボールを奪った後のショートカウンター、ショートカウンターを出せない時には幅を使ってボールを動かして、そこからゴールを狙うという攻撃の形になるのですが、まずは守備があるからそういう選択肢のある攻撃ができていると思います。
―守備はどういうところが成長しているのでしょうか?
ポジションによって役目が異なる部分もあるのですが、おおまかに言うと、一人で相手二人をマークする、という考えがあって、それが迷いなくできるようになったのが成長箇所で、相手はそれを嫌がっていると思います。
―「一人で相手二人をマークする」というところをもう少し詳しく教えてください。
相手二人のどちらに対しても行ける、いわゆる中間ポジションを取ることです。その中間ポジションには横と縦があり、サイドの選手には特にそこが大事になります。二人を一人で見るということは、その局面においては数的不利な状況と言えるんですが、ピッチ全体、チームとしてみれば、数的優位な状況にある、ということになります。その仕組みを選手がよく理解して、的確な中間ポジションを取れるようになったのが守備面での大きな成長だと思います。
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―チームとしての特徴であるハイプレスの精度向上に関してはどう思いますか?
去年は3バックの相手にはウチのプレスがハマりましたが、4バックのチームに対しては、後ろでセットしてから守備に入るという時間が続くことが多かった。本当は3バックだろうが4バックだろうが前からどんどんプレスをかけていきたいところなんですけどね。今年は長崎戦(第2節/1-2の敗戦)と磐田戦(第6節/0-2の敗戦)が少し良くありませんでしたが、その2試合の反省を踏まえて改善したことで、ほかの試合では相手が4バックでもプレスがうまく効いています。
―4バックでもプレスが機能するようになった理由は?
さっき話した一人で相手二人をケアするとうことも含めて、4バックの時のプレスの掛け方が整理され、それを選手がしっかりと理解して実行できているからです。詳しくは言えません(笑)。
―去年は第20節のガンバ大阪U-23戦(2-1の勝利)からレギュラーに定着するようになりましたが、それまではなかなか出場機会を得られませんでした。そして今年はアビスパ福岡との開幕戦でメンバー外になりました。
当時、その状況に納得はしていませんでした。でもいま冷静に振り返ると、自分の良さを出せていなかったから、監督からしたら当然の判断だったな、と理解することはできます。
―メンバーに入れない、あるいは出場機会に恵まれない時、どうやってメンタルをコントロールしていたのでしょうか?
試合に出られなくても“サッカーはできる”というところにまずは意識を向けました。試合に出ることができなかったとしても、試合当日のメンバー外練習がありますし、去年だったら試合翌日にトレーニングマッチが行われていたので、自分に与えられたそういう立場でしっかり自分を磨く、しっかりプレーすることに集中していました。あとは、元チームメイトや元コーチの方を含めて、いろいろな人に連絡をして、情報交換などする中で刺激をもらって自分のエネルギーにしていました。そうやってほかの人の力を借りながら、自分がいまやるべきことを整理することができたんです。
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―自分の中で何でも解決していくタイプなのかなと思っていました。
確かに、そういう感じでした。でも、それでうまくいってなかったので、去年の夏前からいろいろな人の力を借りながらやるようになって、それでうまく進んでいったので、それ以降は自分が分からないことが出てきたときは、経験のある選手に聞いたりするようになりましたね。
―福森選手はいま26歳。ほかのチームなら中堅クラスの年齢ですが、いまの若い北九州というチームにあってはもうベテランの部類に入ってきます。そういう状況の中で自分の立ち位置をどう考え、それが言動にどう影響していますか?
一人の選手であることを自覚して、まずは試合に出ること、試合で活躍すること、結果的にチームの勝利に貢献すること。そういう個人のパフォーマンスに一番意識を向けています。僕もいろいろなことを先輩に教えてもらってきて、それを還元していく年齢になってきているとは思うのですが、受け取る側がアドバイスを欲しいと思っていなければ上から何かを言ったところで意味のないことだと思うので、まずはチームのためになる個人のパフォーマンスを追及して、その中で後輩が求めてくる状況になったら、僕にできるアドバイスやヒントを与えられたらいいな、そういうふうな立ち位置でいいのかな、と思っています。
―昨季途中でレギュラーポジションをつかんだのは、それまでプレーしていた右サイドバックとしてではなく左サイドバックとしてでした。そして今季は、どちらのポジションでも先発しますし、試合途中で左右を入れ替えてプレーする機会も増えています。混乱はしないのでしょうか?
試合中にポジションが変わることでのやりづらさはありません。右も左も、自分の中でやることは整理できているので、それをやるだけなんです。
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―右と左で変えなくてはならないこと、はありますか?
利き足が右なので、右サイドが基準になるんですけど、左サイドバックに入ったときは基本的に左利きのつもりでスタートして、相手を動かせる持ち方を意識します。その中で自分の武器はやはり右足なので、右足を生かせるタイミングは逃さないようにしています。
―左利きのようにプレーをする、とは?
例えば右側から来たボールは左足でトラップするとか、ですね。
―「相手を動かせる持ち方」というのは?
左サイドバックの時が説明しやすいんですけど、左サイドの時に右足でボールを受ける、あるいは持つと、相手は外側、つまり縦のエリアを切りながら僕に寄せてくることが多い。そうなると僕は内側、あるいは後ろへのプレーに制限されてしまう。でも、左足でオープンな態勢でボールを受けたら、縦にも内側にも進めるし、後ろの選択肢もある状態になれる。そういう状況で右足に持ち替えるのと、最初から右足で持つのとでは、相手の寄せ方が違ってくる。つまりボールを置く位置によって「相手を動かせる」ということです。なぜそういうことが大事になるかというと、最終ラインにいる選手も、ボールを持った時の最優先事項がフォワードに良いボールを良いタイミングで出すことだからです。それを実行するには、ボールの置きどころがすごく大事なんです。
―今年はセットプレーのキッカー役も任されています。最初に任された時の小林監督とのやりとりはどういう感じのものでしたか?
やりとりは特にありませんでした。試合前日のセットプレーの練習をする時に、各選手のゴール前の入り方を含めた役割が書かれた紙を見せられるんですけど、そこにキッカーとして自分の名前があった、それだけです(笑)。
―指名を受けて驚きましたか?
去年も少し蹴っていたので、特に驚きませんでした。
―そこには自信もあった?
それもありますし、仕事を与えられたからやる、そういう感情ですね。
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―キッカーとしての武器は何でしょうか?
スピードですね。流れの中でのクロスの時もそうですが、速いボールを蹴ることができるのが僕の特徴だと思っています。その良さを出せるように意識しています。
―キックの種類は?
いま、チームとしてセットプレーから得点を取れていない現状もあるので、いろいろな種類、コースのボールを蹴らなければいけないと考えているところです。
―速くてパンチのあるキックを蹴られるのはなぜでしょうか?
小さいころから強いボールを蹴っていました。2010年の南アフリカ・ワールドカップの公式試合球になった(アディダス社の)ジャブラニというボールが世に出てきたときに、無回転のキックがしやすいと評判になっていて、その時確か僕は小学校6年生か中学1年生くらいだったと思いますが、無回転のキックも練習しながら、とにかく強いシュートを打つことに興味がいって、そういう練習ばかりをしていました。コースというよりも強く打つことを意識して。だから、インステップでキックする時だけではなくて、インサイドやインフロントのキックでも強く蹴ることにこだわっていましたね。
―強いキックにこだわった理由は?
小学生や中学生の頃は、ただ単に強いボールを蹴るのが楽しかったから、そうしていただけです(笑)。自分のキックの特徴がスピードと強さにあることを去年あらためて感じてからは、その良さをなるべく出そうと心がけていて、クロスもそういうキックにしています。
―第15節終了時点でのアシストは2つ。第8節の徳島ヴォルティス戦と第13節の大宮戦でディサロ燦シルヴァーノ選手の先制ゴールをお膳立てしたものです。その数に満足していますか?
数には満足していません。でも形は狙い通り。これから数は増やしていきたいですね。
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―二つのアシストのうちどちらに満足感を覚えますか?
大宮戦はラッキーな部分もありましたが、どちらもレレ(ディサロ選手)と話して狙っていた形なので、どちらも満足度は高いですね。
―カメラマンの情報によると二つのアシストを決めた後の喜び方が激しかったと。
アシストした時に限らずなんですけど、自分の狙ったプレー、やりたいプレーができたときは、すごくうれしくて、それが得点につながったらやっぱり喜びを爆発させちゃいますね。
―ピッチ上では無表情、無感情でプレーしているという印象もあります。激しく寄せた相手が怒って詰め寄ってきた時も平然としていますしね。
相手に削られた時などは、なるべく感情を抑えて冷静でいようと心がけています。それから相手を怒らせた時もなるべく普通の態度で。削られたから、詰め寄られたからといって感情的になることに意味があるようには思えないので。そのぶん、ゴールが決まった時とか勝った時は、感情があふれ出ちゃう。それはJ2に上がってきて、よりそうなったように感じます。J2という難しい舞台で結果を出すには、自身はもちろん、選手一人ひとりが日々積み重ねなくてはいけないということを改めて理解できてきたから、苦労が報われた時の喜びも大きくなるんでしょうね。
―意味がないことはしたくない、という考えは普段の生活でも?
けっこう、そうかもしれません。
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―週に1回はすると言っていた、愛車の洗車に意味はありますか?
最近はやっていません、時間がもったいないし、意味がないことに思えてきたので(笑)。車は単なる移動手段だと思うと、そうなっちゃいました。
―意外に現実的ですね?
そこに意味があるかどうかを考える傾向は強いと思います。意味がないと思えたらやりたくなくなっちゃいますね。
―猫を飼うことに意味はありますか?
めちゃくちゃ意味があります! サッカー自体は楽しいのですが、みんな個人事業主で、契約もありますし、そういう仲間でありライバルでもあるみんなと一緒にいる中で、家に帰った時の癒しとして、とても大きな意味をもっているんです。
―シビアな世界にいるからこそ必要な癒し。
そうです。
―國分伸太郎選手も確か愛猫家ですよね。
二匹飼っています。猫同士の交流はありませんが、お互いに猫の話はします。
―二人とも独身ですよね。結婚も意味がないものと考えているのでしょうか?
いや、そこもめちゃくちゃ意味あるものだと思っています。まだ、できていないだけです(笑)。家族ってやっぱり大切ですよ。僕は大学の時から一人で生活しているから、たまにしか家族に会えないし、会ったときにはものすごく大きなパワーをもらえると分かっているので、家族は持ちたいなと思います。
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―チームの連勝はどこまで続くと思いますか?
ほかのチームメイトもそうだと思うのですが、連勝についてはそれほど意識していないんじゃないですかね。チームとしてやることを整理して、その次に相手の分析があり、その上で個人的な役割を整理して試合に臨む。そのすべてがうまく行けば勝利につながる。それができている限りは勝ち続けられるでしょう。そして、負けた時は、そのうちのどれかができていないからだと理解しています。
―個人的なところでの目標、例えばアシストはあとどれくらいしたいと思っていますか?
具体的な数として目標は掲げていないんですよね。僕が決めさせたゴールと、決めてもらったという二つのアシストがあります。ある意味、フォワード頼みという部分もあるのですが、アシスト数を増やすためには、まずクロスとかシュートチャンスにつながるパスの数を増やすことを意識したい。それが結果的にアシスト数につながるんだろうなと思っています。
―自分が決めさせたゴール、決めてもらったゴールにつくアシストのどちらがうれしいのでしょうか?
どちらもうれしいけど、やっぱり“狙い通り”という意味では、決めさせた方のアシストでしょうね。
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文・島田徹 写真・筒井剛史

(次回『シマダノメ 深掘りインタビュー Season2』の第5回目は9月下旬にアップ予定。登場する人物は? お楽しみに!)

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