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シマダノメ

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シマダノメ 第16回 深掘りインタビュー 河野貴志選手

『シマダノメ 深掘りインタビュー』の第16回目は、リーグ中盤戦からセンターバックでの先発が続いている河野貴志選手の登場です。ルーキーイヤーとなる今季ここまでの自身のパフォーマンスや空中戦における強さの秘密などを深掘りしました。迫力あるプレーからふてぶてしくさえ感じるプレー中とは裏腹に、トークの間に見せる表情は笑顔あふれるとても優しいものでした。(取材日=2019年10月24日)。

―今日の昼食は何を?
皿うどんです。大好きなんです。
―このインタビューの後に筋トレが控えているんですよね? 皿うどんだけでは足りないのでは?
大丈夫です。麺を2玉にしてもらったので(笑)。
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―あのパリパリ麺がダブルだと、食べるのにアゴが疲れるでしょ?
大丈夫です。あのしっとりとした餡(あん)に、しっかりとなじませてから食べるので(笑)。
―宮崎のご出身で、皿うどんが好物?
小学校の時、給食で出たことがあって、それで気に入って、母に頼んでよくつくってもらいました。僕が行った大学は関西で、向こうにも『揚げそば』という名前で皿うどん風なものはあったのですが、厳密には皿うどんではないので、ギラヴァンツ北九州に入って、またちゃんとした皿うどんが食べられるのがうれしいんです。でも今でも母がつくる皿うどんが一番おいしく感じます。
―ほかにはどんな好物が?
あと、うなぎも大好きです!皆さんもご存じだと思うのですが、宮崎県の西都市に「うなぎの入船(いりふね)」という有名店がありますし、僕の地元にも、おいしいうなぎ屋さんが多いんですけど、うなぎ、好きですねぇー。こっちでも一人でよく食べに行きます。例えば、門司の方にあるお店は、大隅半島のうなぎを使っているようで、とてもおいしくて気に入っています。
―宮崎だとチキン南蛮も有名ですよね。
おいしいですよー。関西にももちろんあるんですが、やっぱり宮崎で食べるチキン南蛮がおいしい。
―関西と言えば、“粉もん"にはハマらなかった?
はい。体のことも考えて、食事に気を使っていたので、揚げ物はもちろん、お好み焼き、たこ焼きはあまり食べないようにしていましたから。
―大学の時から食事に気を使っていたんですね。
はい、自炊していました。
―練習で疲れてもつくっていた?
大学の時の練習って、朝の7時から9時だったんです。そこからは授業に行ったり、自主練したりで、食事をつくる時間も元気も十分にありましたから。
―大学では何を学んだんですか?
僕はスポーツ健康学部というところに在籍していました。体の構造、運動生理、サッカーをする上でも大切なことを勉強していました。そこから教員になる人、スポーツメーカーなど一般企業に進む人といろいろでしたが、僕は入学当初からプロ選手を目指していましたからね。でも2年生までは教員免許資格が取れるコースを取っていたんですよ、途中で変えましたけど。
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―プロ1本に絞ってコースを変えた?
そういうわけでもないんですよね。最初はプロの後のセカンドキャリアとして教職の道もあるなと考えていたのですが、なぜか一変、先生の道に進むのが嫌になって。急に、「なんでオレ免許取ってるんだろ?」と思うようになって。母は少し残念がっていたので、ホント申し訳なかったなと思っています。
―さて、第20節のガンバ大阪U-23戦(2-1の勝利)から先発出場が続いています。
試合に出られていること自体はとてもうれしいことなのですが、自分のプレー内容に関しては全然満足していません。そもそも満足してしまったら成長が止まると思ってはいるのですが、ガンバ大阪戦からの8試合は7勝1敗(※取材日は第28節のYS横浜戦の前)とチームとしての成績は残せているのですが、うち5試合は失点をしていて、それらの多くは僕のミスが原因となったものなので、到底満足できるプレー内容ではないんです。もっと頑張らないと。
―第23節の福島ユナイテッド戦の失点も本当に悔しそうに振り返っていましたよね。
そうです。2-0でリードして迎えたゲームの終盤(79分)でした。僕らの右サイドから上がったクロスをイスマイラという選手にヘッドで決められたんです。リュウくん(川上竜選手)と僕の間でジャンプされたんです。マークがあいまいでした。ボールとイスマイラ選手の両方が見えている僕がもっと厳しく体を寄せていれば防ぐことができた失点だと思うので、本当に悔しかったんですよね。その次の相模原戦(3-1の勝利)での失点も僕が接触プレーでよろけてしまったところからやられてしまった。僕は比較的失敗をあとに引きずってしまうタイプなのですが、その後すぐにアタッカー陣が同点(髙橋大悟選手のゴール)、逆転(池元友樹選手のゴール)、ダメ押し(北川柊斗選手のゴール)と3ゴールを決めてくれたので、気持ちがうまくリフレッシュできたんですけど、反省点は多いです。
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―第20節のガンバ大阪U-23戦ではCKからリーグ戦初ゴールを挙げました。ほかの試合でもセットプレーから惜しいヘディングシュートを放つ場面があります。守備時でのヘディングと攻撃時のヘディングではいろいろと異なることが多いのではないかと推測するのですが、攻撃時のヘディングで意識していることは?
シンジさん(小林伸二監督)に言われて、なるほどなぁと思ったのは、「マークしている相手の前にいかにしてうまく入ってボールを頭でたたけるか、これが大事なんだ」と。ボールが蹴られる前のポジショニングを含めたマーカーとの駆け引き、そして向かってくるボールに合わせて走り込むタイミング、ジャンプするタイミング、そういう複数の要素がうまく絡んだ時に、相手の前にうまく入っていってボールをたたけるんだと理解して、それを試合で実践するようにしています。といっても、まだ僕が決めたのは1ゴールだけなので、そこもまだまだです。そこの質が上がれば、もっとゴールを取れるんじゃないかと思って、毎日のトレーニングでも意識して取り組んでいます。
―河野選手の大きな武器であるヘディングですが、そこに自信を持ち始めたのはいつ頃ですか?
宮崎の鵬翔高校の1年生の時にコーチにヘディングの練習をしなさいと言われて、やろうとは思うのですが、なぜか、練習しているところをそのコーチに見られたくなくてコーチが帰った後に自主練をやっていたんです(笑)。
―「頑張っているのを人に見られたくない」という思春期特有のあの感情で?
いや、そうじゃないんですよね。何て言うんでしょうか、自信がなかったから恥ずかしかったんです。でも、コーチが一緒に付き合うからと言って、特別メニューを組んでもらってやるうちにジャンプ力もつきましたし、コーチからいろいろなアドバイスをもらうことで、相手に競り勝つコツのようなものもつかめて、どんどん自信がついていったんです。だから上永 智宏コーチには本当に感謝しています。
―ヘディングはジャンプする時にかなりのパワーを使うので、試合を通してヘディングを繰り返すと肉体的な負担も大きく、かなり疲れると聞いたことがあります。
いいえ、全然。僕は楽しくてしょうがない。
―でも、ヘディングって痛いでしょ?
ちゃんと当てるべきところに当てれば痛くないですよ(笑)。あっ、でも相手選手のヒジが顔に入った時は痛いっすね。でも、飛んで、競って、跳ね返すって、僕にとっての快感です。怖さはまったくないし、逆に「どんどん来いよ!」って感じですよ。でもですね、最近は相手のゴールキックが僕のところに飛んでこないんですよ。避けられているのか……、だから少しフラストレーションがたまり気味です(笑)。
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―それだけ自信があるから、ただ跳ね返すだけのヘディングだけではないように思います。例えば相手が蹴ってきたロングボールをただ大きく弾き返すことが必要な時もあれば、そのボールを味方につなぐようなコントロールされたヘディングが必要な時もある。
そうです、そこは僕がもっと質を上げなければいけない部分でもあります。例えば、飛んできたボールを目で追いながら、フリーになっている味方のボランチやサイドバックも確認しておいて、そこにヘッドでボールを落とすとか。ただはじき返すだけではなく、マイボールにすることができればチームとして助かりますからね。
―これまで空中戦で競り合って、手ごわいな、と感じた選手は?
僕が大学生の時に練習試合で対戦した、当時ガンバ大阪でプレーしていたパトリック選手(サンフレッチェ広島を経て現在もG大阪所属)ですね。まったく勝てませんでした。向こうの体勢が悪いから勝てるだろうと思って飛んだんですけど、逆に吹っ飛ばされて。見た目でも分かるように、あの選手は本当に体が強いんですよね。
―タイミングなど、空中戦で勝つために必要な要素はいろいろとあるのでしょうが、やはりフィジカル、体の強さも大事ですか?
そうですね。高校1年までは結構、細身だったのですが、監督から「体に厚みを出していかないと競り負けるぞ」と言われて、一時期、筋トレに目覚めて、そこからガタイがよくなりましたし、自信を持って競り合えるようにもなりました。全体練習後にベンチプレスをやって、当時は寮に住んでいたのですが、22時の点呼が終わった後に自分の部屋で腹筋、背筋、ダンベルを使った腕の筋トレを、ほぼ毎日やっていました。今なら、毎日しても効果が薄いということを学んで知っているのでやりませんが、当時はとにかく毎日。翌日に筋肉痛になっていることが、たまらなくうれしかったんですよね(笑)。
―今は?
毎日はやりません。今日もこの後、みんなでやりますが、週1回チームとして行う筋トレがあって、あとは大学時代にパーソナルトレーニングをしていた時のメニューを自分の部屋で少しやる程度です。
―そういったトレーニングの成果を試合中のフィジカルコンタクトで試す?
そうですね。ガチガチ当たり合う、コンタクトが大好きです。負けないぞって。
―外から見ていると、冷静に淡々とプレーしているように見えますが。
まだ冷静さは足らないなと自分では感じています。
―フィジカルコンタクトで負けると、カッとする?
それはありません。ただ、味方がやられた時は、カッとしちゃうことはあります。特にワタルくん(野口航選手)が激しく当たられて倒されたりしちゃった時は、その選手に対するその後の僕のコンタクトは少し激しめになっていると思います(笑)。
―いまのところ順調に先発フル出場が続いていますが、第8節のザスパクサツ群馬戦では前半のみでベンチに下がりました。あれは精神的にかなりこたえたのではありませんか?
センターバックがケガ以外で交代するってほとんどないじゃないですか?なのに、前半で交代。あの試合でチームが勝ったから良かったのですが、試合後にみんなでサポーターの方々にあいさつをしに行くでしょ、その時にサポーターの方から「河野、ケガ大丈夫か?」って声をかけていただいたんです。ケガで交代したわけじゃないのに、なんて答えていいか分からないし、逆にそれがショックで……。
―そのショックからどうやって立ち直ったのでしょうか?
ラッキーというんでしょうか、群馬戦から1週間後に天皇杯福岡県予選の決勝・福岡大戦があって、その試合に先発で使ってもらえたんです。その時も前半が終わって1-0でリードしていたのですが、それは群馬戦も同じで、「もしかして今日も前半で交代させられるのか?」と内心ビクビクしていたのですが、最後まで出させてもらって、それで無失点で終えることもできたので、自分の中で「ここからが再スタートだ」という気持ちになれました。第12節の福島ユナイテッドFC戦でまた先発フル出場したものの、その後7試合はサブが続きました。でも、天皇杯県予選決勝をきっかけに前向きな気持ちに切り替えることができていて、いつでも試合に出られる準備は完ぺきにしておこうという気持ちでトレーニングに臨むことができていたので、出番を待つ間も気持ちは充実していました。
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―7月と8月最初の5試合で3分2敗と勝てなくてチームとしても苦しんでいた時期です。
そうですね。それで確か、ガンバ大阪U-23戦の少し前にサガン鳥栖とトレーニングマッチがあって、そこで良い内容の試合ができて、そこでプレーした僕を含めた何人か、それまで出番が少なかった選手がガンバ戦の先発で起用されました。僕に関して言えば、その試合でゴールを決めることができたのが大きくて、その後の先発につながったのだろうと考えています。
―やはりディフェンダーとは言え、得点力、特にセットプレーで決められるというのはポジションを手にするための大事なアピールになるんですね。
ウチの攻撃力を警戒してくるチームが増える中で、セットプレーで点が取れるというのは特に大事なのかもしれません。それと流れの中での攻撃に貢献することも大事。守備面で少し余裕が出てきて、前線の選手につける縦パスもだいぶ入れられるようにはなったと思いますが、まだまだ。キックも僕の武器なので、サイドチェンジのパスも含めて、もっと質を上げてチームに貢献しないといけないんです。
―少し前に、コーチングも自分の課題の一つだと話していましたね。
はい、もっと積極的に声を出していかないといけません。隣でプレーするテラさん(寺岡真弘選手)からもよく言われることです。あの人が横にいることで安心している自分がいて、ついつい頼ってしまっているんです。
―声で味方に指示を出す、ということは難しいことなんでしょうね。
実は僕も声は出しているんですよ、でも、小さいから周りの選手に聞こえていない、という(笑)。迷っている自分がいて、「これでいいのか」と思いながら出すので、おのずと声が小さくなる。テラさんからは「間違っていてもいいから出してみろ」と言われているので、意識して出すようにはしているんですが、どこかで縮こまっている自分がいるんでしょうね。
―センターバックとしてコンビを組んでいる寺岡選手はどんな人ですか?
僕にとっては同じ関西大学出身の先輩でもあるんです。5歳ほど違うので、大学で一緒にプレーしたことはないのですが、テラさんが1年生の時にレギュラーでインカレ優勝に貢献した話はほかの先輩から聞かされていましたし、尊敬する先輩の一人です。
―怖い先輩?
今回のラグビーワールドカップの日本代表選手で、笑わない人として有名になった人がいるじゃないですか?そう稲垣啓太選手です。テラさんは、“サッカー版稲垣"ですよ!練習でも試合でも笑っているところを見たことがありません。サッカーしている時のテラさんは本当に怖いっす。でも、あの人がいることで引き締まるというのも十分に分かっていますし、僕なんかしょっちゅう怒られますが、それに反発することもありません。だって、言っていることは全部正しいから、すべて受け止めています。
―もし逆に、河野選手が寺岡選手を怒れるようになったら、すごいことですね? それもこれからの目標の一つにしてみては?
ハハハハハ。もし、そうなったら僕がすごく成長できたということになるんでしょうけど、それは、むちゃくちゃ高いハードルですよ!
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―今季ここまでの試合出場が可能だと予想していましたか?
僕は開幕スタメンで出て、その後もレギュラーをつかむ、というのを目標にしてチームに入って来たので、いまの結果は到底満足できるものではないんです。一方で、プロ1年目で上位争い、昇格争いをするチームでプレーできるという経験はとてもありがたく感じて、感謝もしているので、残りの試合もただチームの勝利のためだけを考えて、全力を尽くします。
―ミクスタでのプレーは緊張しますか?
ミクスタでの初めてのゲームは、さきほどから出ている第8節の群馬戦。あの試合、正直、メチャクチャ緊張しました。でも、何試合かしていくうちに慣れたんでしょうね、逆に今は気持ちよくなっちゃって。味方の声がほとんど聞こえないくらいの声援というのは本当にありがたいし、テンションが上がるんです、幸せなんです、あれはすごい!
―逆にアウェイゲームはどうですか?チームの成績も良いですし。
僕、足がむくみやすいんです。革靴を履いての移動なんで特に。移動中はずっと足首を動かしてなくちゃいけないし、だから僕はホームが好きです(笑)。
―残り試合も少なくなってきました。首位に立ってプレッシャーもかかってくるシーズン最終盤に向けて、どんな姿勢で臨みますか?
正直、こういう経験は初めてです。確かにプレッシャーもかかってくるんだと思いますし、しんどくなるのかもしれませんが、だからこそ成長できるチャンスだとも思っています。今は練習も楽しく充実していますし、僕自身は残り試合を全勝するつもりで、そのために、ちゃんと守って、さらにセットプレーで点を取る、という自分にできる仕事をしっかりやっていきたいと思っています。
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文・島田徹 写真・筒井剛史

(次回シマダノメ『深掘りインタビュー』の第17回目は11月中旬にアップ予定。登場する人物は?お楽しみに!)

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