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シマダノメ

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シマダノメ『見たよ!聞いたよ!練習場で!』No.002

関西大を卒業して2014年にギラヴァンツ北九州の一員となった寺岡真弘選手がAC長野パルセイロに移籍するまでの3シーズンの間、個人的に寺岡選手のことを『鬼軍曹』と呼んでいた。練習中だけではなく試合においても大声で味方選手を怒鳴り散らすその存在は、どこか大人しい選手が多いチームにおいて空気をピリッとさせられる貴重な存在だとの認識からつけたある意味、尊敬の念も込めた呼び名だった。そんな鬼軍曹が3年ぶりに北九州に帰還した。

新生ギラヴァンツ北九州の立ち上げからしばらくの間、寺岡選手の練習での、試合での態度やプレーぶりを見ていて変化を感じた。怒鳴り声が以前よりも半分近く減少した印象。落ち着きが出た。丸くなった。そんな感想を本人にぶつけると、こんなふうに自己分析してくれた。

「チームの状態が悪い時、試合の中で流れが悪い時、もちろん自分の調子が悪い時、何とか流れを良くしようと自分なりにもがくんだけれども、それがなかなかうまく行かなくてイライラ、カリカリしていたかもしれない。当時、怒鳴っていたつもりはなくて、普通のコーチングのつもりだったけど(笑)、それでも言葉にトゲがあったかもしれない。でも、いつごろからでしょうか、長野に行ってしばらくしてからだとは思うけれど、どうあがいても流れが変わらない時もあるんだってことが分かると、強引に流れを変えようとするのではなく、悪い時は辛抱しながら良い流れの兆候が訪れる時も必要だなと思うようになりました」

今季開幕2連勝という好スタートを切ったギラヴァンツ北九州。アグレッシブなサッカーの実践が印象的だが、2試合連続無失点というところに焦点を当てると、寺岡選手が自覚する変化が大いに効いていたことも分かる。第1節のFC東京U-23戦も、続くガイナーレ鳥取戦も90分の中に悪い流れの時間帯というものがあり、そこで大いに存在感を発揮したのが寺岡選手と岡村和哉選手の両センターバックで、二人は実に粘り強く、また冷静かつ的確にボールを跳ね返し、あるいはシュートをブロックしてゴールに鍵をかけたのだった。かなり押し込まれる時間帯でも寺岡選手の表情は淡々としたまま。周囲の選手に出すコーチングにイライラ感やカリカリ感はみじんも感じられなかった。また、フィードを含めたプレー全般にミスがほとんどなくなったのもかつての寺岡選手との違いだろう。

結婚をして子どもが生まれ父となったことも自己変化に影響しているだろうと認める寺岡選手は「でも、鬼軍曹のキャラは捨てませんよ。キツイことを言うべき時はちゃんと言う。そういう存在はチームには絶対に必要だと思いますから」。変わったけれども変わらない鬼軍曹、お帰り!

文・島田徹

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