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シマダノメ Season3
第5回 深掘りインタビュー
永田拓也 選手

シマダノメ Season3 第5回 深掘りインタビュー 永田拓也 選手

『シマダノメ 深掘りインタビュー』のSeason3第5回目は永田拓也選手の登場です。31歳とベテランの域に入りつつある左サイドバックの頭の中にある、クロス、守備、残留争いについての思いを言葉として表現。淡々と、時にユーモアを交えながら、しかし静かなる闘志も感じるインタビューとなりました(取材日/10月20日)。

―昨シーズンはケガの影響もありシーズン途中で13試合ほど欠場する期間がありましたが、今季はコンディションもよく安定して試合に出場されています。

去年は過密日程の中で身体の補強を行う時間が十分に取れませんでしたが、今年はしっかりオフもあって身体を休めながら、自分の身体の弱い部分をトレーナーと相談しながら補強を行うことができたので、ケガも少なく長期離脱しないですんでいるのだと思います。

―ケガなくやれているという意味では今季は充実感があるものになっている?

そうですね、個人的には充実感を覚えています。

―これまでの経歴で言うと、2014年から18年まで在籍した横浜FC在籍時が安定的に試合出場していた時期だと思いますが、その時と北九州に在籍するようになってからの自分に何か変化はありますか?

サッカーの面で言うと、横浜FCの時は、基本はサイドバックでプレーしましたが、サイドハーフとして1年間出場した時期もありました。北九州に来てから基本はオールシーズン、サイドバックでプレーすることで、プレーの幅が広がったと思います。横浜FC時代は前線に強力な外国籍選手がいたので攻撃はカウンター中心で、後ろは守備ブロックを敷くスタイルで戦っていて、昨年のように前からどんどんプレスをかけるサッカーというものは経験したことがないものでしたからね。

―どちらのスタイルが体力的にきついのですか?

個人的にはそんなに変わらない感じですかね。

―北九州のほかの選手からは1試合の走行距離が長いのは「タクさんです」という声をよく聞きます。横浜FC時代と比べて走る距離に変化は?

横浜FCの時は走行距離が分かる器具を身に付けてプレーしていましたが、個人的には意識していませんでした。自分から聞けば知ることはできたんですけど、自分が1試合でどれくらいの距離を走っていたかは知りませんでした。

―北九州に来ての1試合の平均走行距離はどれくらいですか? 13キロ越え?

いやさすがに、そこまでは。途中交代する試合も多いですからね。そもそも僕はその数値はあまり気にしていなくて。その数値で自分を評価するよりも、守備でどれくらい貢献できたか、攻撃でどれだけチャンスに絡めたか、あとは身体のキレに重きを置いています。

―今年と去年で永田選手のチーム内での振る舞い、姿勢に変化はありますか?

昨年はJ3で優勝してチームが出来上がった状態の中に、僕も含めて何人かの新戦力が加わったので、僕が言わなくても、みんなが分かっている感じで、どちらかというと、僕がみんなに合わせるというイメージでした。チームにある良いモノに自分が合わせて行った、という。

―今季は違う?

今年に関しては選手の大幅な入れ替えがあり、北九州のスタイルに合わせるのが最初は難しく感じる選手も多かったと思うので、そこで合わせるという意味でも、練習中、試合中に僕から言葉を掛けるようにしました。ピッチ内で修正することも大事だと思っているので、今年に関してはチームのバランスを見ながら要所で意見を、特にポジションが近い選手と交換するようにしていますね。

―自分から声掛けすることは意識的に行ったことですか?

そこは意識していたつもりですが、僕からの発信だけではなくて、「細かいところ、気になったことがあれば、ちょっとしたことでもいいから言ってね」と、みんなの意見も聞く姿勢も心がけています。

―今季ここまでで2ゴール、3アシスト。アシストについて。

アシストは第2節の水戸戦のリョウ(佐藤亮選手)のゴールと、第32節・群馬戦のダイゴ(髙橋大悟選手)の1点目、それと第33節・磐田戦のリョウのゴールですね。

―その数として納得は?

もう少し、ですかね。

―去年の2アシストは越えていますが?

出場試合数も違いますし。

―去年よりもチームとしての攻撃回数は減少しているはずですが。

自分が攻撃に参加する回数は減っているかもしれませんが、1回1回の質というところは上げていかないといけないという意識は強く持っていましたから、そこの成果は少し出ているのかもしれません。センタリングを上げる回数は1試合の中で必ず1回はあるので、その1回でちゃんと合わせることができれば、もっとアシストの数は伸びているはずですから、そういう意味ではまだダメですね。

―クロスを上げるときに特に意識していることは?

ゴール前にいる選手が入りたいスペースに出す、スペースがなければディフェンダーがクリアしづらいところに上げる。とにかく中に入る選手次第ですね。スペースに入り込むのがうまい選手、フィフティーフィフティーの状況でもヘディングで合わせられる選手もいるので、それは中の状況を見ながら臨機応変に僕が合わせていきます。

―例えば中に入るのが佐藤亮選手と富山貴光選手ではクロスも変える?

そうですね、中に入って来るタイミングが二人で異なりますからね。

―好きなクロッサーはいますか?

海外選手ですよね? あまりいないんですよね。僕の場合は純粋なクロッサーというわけでもないので。

―そうですね、中に入ってのプレーも結構多いし、そこからチャンスに絡む場面も多いですからね。では、空中戦についてはどうでしょうか、身長がそれほど高くはないので、どうなのかなと以前から聞いてみたかったのですが。

意外と空中戦に苦手意識はない。確かに僕は背が低いから、ロングボール主体の攻撃をするチームのフォワードが僕のサイドに流れてくることがあるのですが、僕がいるサイドに流れてきた時点でそんなに怖さはないですよね? ゴールまでの距離があるわけですから。だから、そこで必ずしも勝つ必要はなくて、身体を当ててバランスを崩せればいいや、という割り切った考えでいるから、苦手意識がないのかな(笑)。でも、飛ぶタイミングが大事だとは思っているので、相手よりも早く落下地点に入ってジャンプすることは意識しています。

―今年は苦しい戦いとなっています。そういう中でプレーすることをどう感じているのでしょうか?

もちろんプレッシャーはあります。でも、僕としては「残留を果たすためのプレッシャー」を、あえて意識するようにしています。意識するとプレーが硬くなるからという理由で「意識しないようにする」選手もいると思いますし、それも大事だと思いますが、僕は意識をする。今の自分たちの順位や勝率を認識した上で、それを乗り越えていくために自分自身にプレッシャーを掛ける。

―なぜ、そうするのでしょうか?

苦しい状況の中で結果を残すために戦い、行動すれば、サッカー選手としてはもちろん一人の人間として成長できるのではないか、と考えているからです。

―自らにプレッシャーをかけることは簡単なことではありません。もともと永田選手にはそういうメンタルの強さが備わっていたのでしょうか?

おそらく、若い時ならプレッシャーを意識しないようにしていたと思います。周りに一流の選手がいる中でプレッシャーを感じてプレーが硬くなったという経験も実際にありましたからね。でも、今は……、年齢を重ねることで、自分の気持ちが変わってきたんですかね?

―経験を重ねて自信がついたことも影響しているのでしょうね。今のチームの若手選手を見て思うことは?

なんかおじさんみたいで嫌な言い方になりますけど、時代、と言うんでしょうか、物おじしない子が多いように感じます。20歳代前半の選手がチーム内に多いということも影響しているのかもしれませんが、いつもキョロキョロして周りの反応を気にしていた僕が若いころとは全然違う感じ。先輩への礼儀はちゃんとしていながら、でも意見はちゃんと自分の言葉で言える。だから、ある意味、頼もしさを感じています。

―永田選手と年齢が近い選手との関係は? どういう話をしますか?

面と向かって深刻な話をすることはあまりありませんが、ピッチ内でのことをよりよくするためにどうしたらよいか、いうことは練習のメニューの合間とかで話すことはありますね。トミ(富山貴光選手)やミツ(六平光成選手)、オカさん(岡村和哉選手)もみんな経験がありますからね。主に細かい局面でどうしたらよいかを話すことが多いように思います。

―その中では誰がリーダーシップを取るのでしょうか?

オカさんは年上だから引っ張ってくれますね。僕とミツ、トミは同い年なのですが、3人とも主張して前にガンガン出て行くタイプではない(笑)。

―どちらかというと寡黙にプレーで引っ張るタイプの3人ですもんね。さきほど、少しロッカールームでの話が出ましたが、横浜FC在籍時には、カズさん(三浦和良選手)がチームメイトでした。ロッカールームではどういう感じの人だったのでしょうか?

年齢とか関係なく、誰とでも話してくれます。他愛もない話も。みんなといる時に自分の世界に入り込む、という人ではありませんでした。もちろん、最初はもちろん緊張しました。今は緊張はしませんが、かしこまります。

―カズさんはロッカールームでバスローブを羽織っていると聞いたことがあります。

はい、練習場のロッカールームでも着ていましたよ。シャワーを浴びた後、それからアイシングしている時に羽織っていましたね。ほんと、カッコいいんですよ! 身体もバキバキですよ。

―カズさんから学んだことは?

続ける力がすごい。例えば練習前に30分間、体幹トレーニングをすると決めたら必ずやる、やり続ける。何事も続けるって簡単なことではないはずですが、カズさんはやる。すごいこと。だから今も現役でいられるんだと思います。

―永田選手の家族構成は?

妻と男の子が二人です。

―お子さんのお世話で得意なのは?

基本は何でもやります。これが僕担当、あれが妻の担当という分け方はしていません。遊ぶし、お風呂も入れるし。家事も料理以外はやりますよ。料理は妻に任せっきりになっていますが、いつも身体のことを考えたメニューを作ってくれることに感謝しています。

―埼玉のご出身ですが、北九州という街での生活はいかがですか?

昨年から住み始めて、新型コロナウイルスの影響で大変な状態となりましたが、もし関東なら子供と遊ぶ場所を見つけるのさえ大変だったと思いますが、北九州は広い公園がいくつもありますし、行動に十分に注意はしながら、でもある程度の息抜きはできました。ご飯もおいしいし、僕は海なし県の出身なので、海がある街ということで、テンションが上がりますね。

―食べ物に関しては?

魚がおいしいですね。関東にいた時はスーパーで海鮮をあまり買いませんでしたが、こちらは新鮮なものが多いように思いますし、実際にすごくおいしいので、普通にスーパーで買います。

―趣味は?

ないんです。ないことが自分の中ではネックというか。サッカーという仕事に家族がいて、あと趣味があれば人生がより豊かになるなと感じてはいるのですが、なかなか見つかりません。理想は家族みんなでできるものが良いな、と思っているんですよね。

―ゴルフは?

興味があってやったことはあるのですが……。練習すればうまくなる、と言われますが、僕はあのスポーツってセンスだと思っていて、僕にはそのセンスはない、と判断しました。

―今日の服装はモノトーン。オフの服選びは自分で、それとも奥さんが?

自分で選びます。今日もそうですが、黒系のモノを選ぶことが多いですね。子供と遊ぶと汚れが目立つので。現実的な理由もそこにはあります(笑)。

―今季チームが苦戦している要因はどこにあると思いますか?

いろいろとあるとは思いますが、失点数が多く、それが影響していることは事実かなと思います。そこは守備陣の一人として問題意識を持っています。やはり1試合平均で1失点に抑えるくらいの守備力を備えないと勝点を積み上げるのは難しいと感じています。

―攻撃的なサッカーをしてボール保持の時間を長くすれば失点の可能性を下げられる、という考え方もあります。

現実的にずっとボールを持つことは不可能です。だから後ろの守備で粘れるかどうかは大事になります。もちろん後ろの、キーパーを含めての5人ですべてを守るということではなくてチーム全体として守るという意識がありながら、でもシーズン後半戦になって前の選手は得点を取ってくれているので、もう少し後ろで何とかしたい、という思いがあります。

―どうすれば失点を減らせるでしょうか?

いろいろな課題があると思いますが、特に感じるのは一つの失点でバタバタと崩れてさらに失点を重ねてしまうこと。例えば第33節の磐田戦のようなパターンですね。失点してしまったことは仕方がないので、そこで崩れていくのは避けていきたいですね。

―第32節の群馬戦と第34節・東京V戦の結果についてはどう捉えていますか。

悔しい、の一言に尽きます。先制を許した後に一度は逆転に成功しながら終了間際に追いつかれるという展開。いずれの試合も僕は交代でベンチに下がってしまっていますが、もう少し冷静に試合を運べるような声掛けをベンチからでもできなかったかな、と反省しています。

―東京V戦では吉丸絢梓選手、河野貴志選手や佐藤颯汰選手が久しぶりに先発出場を果たし、それぞれが良いパフォーマンスを見せました。そういうことでチームの雰囲気は変わりましたか?

小林監督が調子の良い選手を起用して活躍することで、チーム内競争が高まりますし、新しい風が吹くことでチーム内の雰囲気が変わることは確かなことです。

―残り7試合、残留を果たすために永田選手個人としてどういうことを意識しますか?

一人ではできませんが、まずは守備の安定。それと得点に直結するプレーをしていきたい、増やしたい。

―チームとして残留を果たすためにやるべきことは?

最低限、すべての試合で勝点を取ること。勝利を目指すことは前提として、ここからの戦いは勝点1の重要性がこれまで以上に増す。そういう積み上げが本当に大事になると思います。最後まであきらめることなくチームが一体となって戦いたいと思います。

文・島田徹 写真・筒井剛史

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