2022.6.12SUN14:00
ミクニワールドスタジアム北九州
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試合終了

ギラヴァンツ北九州
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前半
後半
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福島ユナイテッドFC
- スタジアム
- 入場者数
- 天候/気温/湿度
- 主審
- 副審
- 第四の審判員
MEMBERメンバー
REPORT試合経過
DATAデータ
STADIUM MARCHEスタジアムマルシェ
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- レジ袋が有料となっています。
お買いあげの際はエコバック等をご準備ください。
順番待ちの際は、社会的距離を保つようお願いします。
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今週末の福島ユナイテッドFC戦に向けてスタートしたチームの練習に行くと、選手たちはハードなサーキットトレーニングや対人メニュー、また守備に関するベーシックなトレーニングに汗を流していました。
前節のSC相模原戦で敗れてリーグ戦3連敗、7試合未勝利という苦しい状況が続いています。そこから脱するために何が必要なのか、何をすべきなのか。
劇的に状況を変化させる秘薬などなく、ただ日々のトレーニングに熱を入れ、一歩ずつ成長し、その成長を積み重ねるしかないのだと選手たちは理解している。そんなことを改めて知るトレーニング風景でした。
なかなか勝てない状況ですが、一歩ずつ前進していると思わせてくれたのが相模原戦の2得点です。7試合ぶりに挙げた得点はチームにとって反攻の大きなエネルギーになることでしょう。
中山雄希選手のPK獲得のシーン、そして自らが蹴ったPKのキックを見て感じるのは中山選手の古巣戦にかけた思い、それから得点への強い意欲を感じました。
相手の足が出てくるかもしれない状況の中、頭でボールを触りに行って胸を蹴られてPK獲得。そしてネットを突き破らんばかりのキックをゴール中央に突き刺した左足シュート。
2点目を挙げたのは狩土名禅選手で、プロ初ゴールはこぼれ球を蹴り込んだものですが、そのポジションにいるように足を動かせたのはゴールへの強い欲だったのでしょう。正確に蹴り込んだキックは日々、居残りで続けてきたシュート練習の賜物でもありました。
個々の選手が出した結果が、チームとして求める勝利という結果へとやがてつながるはずです。これから続く試合で、そういうつながりが生まれ、続くことを期待していいと思います。
相模原戦は負けているわけですから反省があることは当然です。開始3分、それから中山選手のPKで1-2と1点差に迫った後に奪われた3点目はともにFKからの失点でした。
「セットプレーからの失点は第5節のアスルクラロ沼津戦だけでした…」と天野賢一監督が言う通り、ここまで自信を持っていたセットプレー時の守備を崩されての失点でした。
河野貴志選手はその2失点に関してこう話しています。
「ラインの設定や互いの声掛けが不足していたのではないかと、セットプレー担当でもある上杉哲平GKコーチから指摘を受けています」
「セットプレーにある程度の自信を持っている中での2失点は確かに痛いし悔しかったのですが、そういう学びを得たと、前向きに捉えています。特に今度対戦する福島さんはセットプレーでの得点が多いチームですし、僕らの相模原戦での失点場面を見て、何らかの策を打ってくるでしょうから、今回の学びをすぐに生かしたいと思いっています」
ただ敗れたことを嘆くのではなく、反省点にしっかりと目を向け、次のゲームに生かそうとする河野選手のような姿勢は大事なものであるはずです。
河野選手のコメントにありましたが、今週末の相手は福島です。現在5位につける福島の情報をまとめておきましょう。
今季から指揮を執るのはジュビロ磐田の黄金期を支え、日本代表でもプレーした服部年宏監督です。現役時代はボランチ、サイドバック、センターバックをこなす守備のオールラウンドプレーヤーだった服部監督は守備の構築に力を入れてチームづくりを進めて、その成果が勝点の着実な積み上げとなって表れています。
第10節時点での失点はリーグ最少のわずか3点でした。この数字は堅守と呼ぶにふさわしいものです。しかし前節は藤枝MYFCを相手に6失点を喫しています。
週中に浦和レッズとの天皇杯2回戦を戦っており、相模原戦はその疲労が色濃く出た試合でもあります。だからここまでで積み上げてきた堅守への自信が一気に崩れるようなことはないと考えられます。
むしろ、ストロングポイントの修正にかなりのエネルギーを注入してくること、それにより堅さがより増すとも考えられるので、どのように堅守を崩すのかはギラヴァンツ北九州にとって大きなテーマとなります。
堅守をベースした戦いの中でチームトップスコアラーである高橋潤哉選手のスピードとパワーを生かしたカウンターから得点を狙うのが福島のスタイルです。
したがって十分なカウンター対策も必要なのですが、福島の堅守を崩して得点を奪わなければ勝利はないわけですから、この一戦はやはり攻撃面がキーポイントになります。
そういうゲームに臨むにあたってチーム最多得点者の髙澤優也選手が累積警告による出場停止であることは何とも痛いことです。しかし天野監督はこう言います。
「ピンチはチャンス。優也が出られないことで出場機会が巡って来る選手がいるわけで、彼らにとっては大きなチャンスになるわけですから、そういう選手の働きに期待しています」
相模原戦で得点を挙げた中山選手と狩土名選手も連続ゴールと、今度は勝利につなげたいとの思いが強いはずですし、ほかにも「高澤選手がいない分、オレが!」と気持ちを高めている選手もいるはずです。
例えば平山駿選手はその一人でしょう。ケガで出遅れて今季のリーグ戦出場がない平山選手ですが、5月29日の九州産業大とのトレーニングマッチで1ゴールを挙げて実戦感覚がアップ。
福島戦に向けた練習でもかなりキレのある動きを見せているので、今度の試合でメンバー入りする可能性は大。特に同期の選手に大きな刺激を受けて福島戦での出場に強い意欲を見せています。
「同期である狩土名禅選手のプロ初ゴールには『先を越された!』という思いがあり、正直、焦っていて、僕も早く、という気持ちになっています」
自身の初ゴールへの意欲は、福島戦でのプレーイメージを具体的に描いているところにも表れているように思います。
「福島は守備時には3バックから5バックに変えて守ってくるので、崩すのは簡単ではないと思いますが、足下でのプレーを見せながら、背後も狙う。このバランス感覚を大事にしたいと思います」
「スペースがない中で突破を図るには個人の仕掛けと、グループでの連係が必要。特に2人、3人のコンビネーションで崩すには選手の距離感がとても大事になるので、そこも意識しています」
平山選手らアタッカー陣にボールを送る配球役の働きももちろん大事になります。福島の守備の要となっている大武峻選手とはジュビロ磐田でのチームメイトだった針谷岳晃選手はこう言います。
「大武選手は空中戦が強いので単純なクロスでは跳ね返されてしまいます。クロスを入れる場所やタイミングに工夫が必要です」
「大武選手は強くて高いセンターバックですが、背後へ走る守備、足下でボールを回した時の守備にはつけいる隙があるという印象なので、そういう攻撃も仕掛けていきたい」
「福島の最終ラインは確かに堅いのですが、ワンタッチプレーを絡めながらうまくスピード感を出せれば、崩すことは可能だと思います」
上位チームとの対戦は簡単ではないはずですが、天野監督は「上位にいる相手だからこそ、こちらは思い切ってチャンレジしていける、という側面もあります」と言います。
選手たちが90分を通してチャレンジし続けることができるよう、皆さんの声援で後押ししましょう!
[文:島田 徹]
MATCH DATA マッチデータ
STATS スタッツ


THE LAST TIME STARTING LINEUP
GK | 1 | 吉丸 絢梓 |
DF | 4 | 河野 貴志 |
DF | 22 | 永田 拓也 |
DF | 23 | 藤原 広太朗 |
DF | 44 | 藤谷 壮 |
MF | 6 | 西村 恭史 |
MF | 17 | 針谷 岳晃 |
MF | 18 | 中山 雄希 |
MF | 25 | 池髙 暢希 |
FW | 10 | 髙澤 優也 |
FW | 13 | 前川 大河 |

THE LAST TIME STARTING LINEUP
GK | 22 | 山本 海人 |
DF | 4 | 堂鼻 起暉 |
DF | 13 | 田中 康介 |
DF | 20 | 北村 椋太 |
DF | 44 | 大武 峻 |
MF | 6 | 諸岡 裕人 |
MF | 26 | 新井 光 |
MF | 41 | 上畑 佑平士 |
FW | 9 | 高橋 潤哉 |
FW | 11 | 雪江 悠人 |
FW | 17 | 延 祐太 |
RADAR CHART レーダーチャート


PATTERN 得点パターン


RANKING 得点ランキング


HOT ZONE ホットゾーン


COMMENT 試合前コメント
MANAGER
天野 賢一Kenichi AMANO

前節が始まるまではセットプレーでの失点は1で、哲平(上杉GKコーチ)を中心に組織づくりをしてすごく良いものができていたんですが、相手の藤本選手のキックも良かったしニアをうまく使われてしまいました。ですが、これを機にもう一度意識付けしてやれれば乗り越えられると思っています。併せて、立ち上がりに気合が空回りしてファウルから入ってしまうことが多くて、それはもちろん球際に行こうとかハードワークしようという部分が出ているからではありますが、冷静にファウルなしで良いプレッシャーをかけられるようにしたいですね。
それから、特に前半は長いボールを意識しすぎて攻守において距離感が長くなってしまいました。自分たちが良い距離間でサポートを繰り返しながら全体でボールを前進させるという今まで取り組んでいることと、長短のパスを組み合わせること。一辺倒になるのではなく、相手を見ながら背後とライン間を組み合わせて前進することを、もう少し的確にやりたいです。
相手の福島さんは上位ですが、逆に硬くならずチャレンジしていけると思っています。システム的にミスマッチが生まれるかもしれませんが、今まで3-4-2-1の相手とは結構やってきていますから、選手たちは感覚的につかめている部分は大きいはず。チャレンジしながら自分たちの良いものを出して、勝って次に進んでいけるようにしたいです。
PLAYER

池髙 暢希Nobuki IKETAKA
監督も話している通り、後半に勢いづくことが多いのでそれを前半からやりたい。YS横浜戦ではそれができていて、相模原戦もそうしようと臨んだのですが、結局距離感が悪く背後を意識し過ぎて自分たちの時間がつくれず押し込まれてしまいました。後半はサイドバックにポジションが変わったので感覚も変わったのですが、サイドで幅を取って起点になれれば自分たちの時間も作れるとは感じました。前半勢いが出せない理由はいろいろあると思いますが、まずはボールを持つ時間を増やさないと自分たちもきつくなるし流れや雰囲気も悪くなるので、そこは改善したいです。
(最近はサイドバックでのプレーも増えているが)守備はもちろんしなければいけないですが、自分のプレースタイル的には攻撃がメインだと思っています。相手の状況にもよると思いますが、高い位置で受けたり攻撃の起点になることを大事にしたいし、攻撃参加・クロス・オーバーラップの数を増やしていかなければと思っています。
(古巣との対戦になるが)スタメンを見ていると、前からいた選手がほとんどで知っている選手ばかり。怖い選手が多くて、両サイドの北村選手と田中選手は積極的な仕掛けとクロスが強みですし、ボランチであれば諸岡選手の守備力、上畑選手の起点になれる上手さは注意が必要かなと。守備が固いチームですが攻撃面でも迫力があると思っていて、僕らは先制点を奪われることが多いので、しっかり耐えながら少ないチャンスをモノにして勝ちに持っていけるようにしたいです。
PLAYER

狩土名 禅Zen CARDONA
(前節のJ初ゴールを振り返って)ゴールはすごく欲しかったんですが、振り返ってみると今まで難しく考えすぎていたと感じます。もちろん、ゴールを取ることはすごく難しいし、考えてプレーしなければいけないものですが、シンプルに考える側面も必要だなと。そのバランスが大事だし、点を取れたことですごく勉強になりました。
前節の後半に勢いが出たのは、監督の指示と併せて点が入ったことに要因があったと思っています。事実、3失点目を喫した後も1点差にしたことでまた勢いが出た。今は練習で得ている自信を試合で表現できていないし、自信がないとプレーが悪くなりがちです。皆が自信をもって感情的にならず、声をかけあって前向きにプレーする、目の前の相手に勝つ、その上で余裕を持つ。良い選手は揃っているので、こうした意識がまず大事だと思います。
次は上位チームとの対戦ですが、とにかく先制点を取りたい。勝てていない今の状況で勢いを生むのはやっぱり得点だと思います。取るのは誰でもいいし、つま先でも膝でも肩でもいい、先に点を取れれば自信も出てくるはずです。ただ、なかなか点を取れなくても焦ってはダメですし、うまくいかなくてもパニックになったり怖がることなく前を向いてプレーしていければと思います。
COMMENT監督コメント
MANAGER
天野 賢一Kenichi AMANO

[試合総括]
福島さんは現在5位の上位チームで、うちはなかなか勝てていない状況でしたが福島さんにチャレンジしていく、そういう精神で臨みました。少し早い時間に左サイドバックの裏に侵入されてクロスでやられたシーンは、少し戦術的に問題があったシーンで、改善していかないといけないと思っています。
攻撃に関して、前半は自分達が狙っていたスペースが取れそうで取れない状況が続いていて、例えば六平が右のスペースに流れ込んで藤谷がボールを入れるようなシーンがあったと思うんですけど、あの辺のスペースを取っていきたかったんですが、なかなか取れそうで取れないシーンが続きました。そこを改善すべく、後半はメンバーを少し変えてもう1度自分達がどこのスペースをとっていくかというのを確認しました。
守備に関しても相手は1-3-4-2-1でうちのシステムとはミスマッチ。ミスマッチはお互いにあるんですけど、少し変則的な形にして守備をするやり方にしました。前半の途中からそうしていたんですけど、その中で結構中盤で前向きで引っ掛けてカウンターになりそうなシーンもあったと思いますが、自分達がよかった時であればあそこから一気にカウンターに行けると思うんですけど、そこら辺が出せないのはもう一歩と言うか、もう少しトレーニングしていかないといけない部分です。
後半にもう1回取るべきスペースを皆で共有してプレーし、相手を押し込みながらコーナーキックで点を取れて、その後も中山が深い位置でスペースに入って他の選手が前向きでサポートしながらチャンスを作る、もしくは右サイドの佐藤のところに起点ができて、そこを追い越していく形からチャンスができる、あの辺は狙っていた形だったのでああいうところからもう1点取るような姿を次のゲームには見せられるように準備したいと思っています。
1-1なので残念な部分もありますけど、自分達が勝てていない中で勝点1を取り、攻守において少し自分達が良かった時の姿を取り戻しつつあるというところは前向きに捉えて、次も上位のいわきさんが相手なので、勝点3を取るべくもう1度準備したいと思っています。
いつもサポーターの方々には支えていただいて、本当に感謝しています。なかなかサポーターの方々に喜んで頂ける結果を出せずにやきもきさせてしまっていると思いますが、選手達は今日も諦めずに戦ってくれましたし、狙いを持ってやってくれています。日々のトレーニングにも真摯に取り組んでいますので、引き続きサポートしていただき、それに対して我々は結果を出してサポーターの方々と一緒に喜べるように準備をしていきたいと思っていますので、今後とも支えていただけるとありがたいです。
COMMENT選手コメント
PLAYER

藤谷 壮So FUJITANI
Q:試合を振り返って。
A:最近の試合の中では1番自分達がやりたいことができた試合かなと思ったので、少しですけど一歩良いサッカーに近づいたんじゃないかなと思います。個人としては、上がるタイミングと最後の質を高めていかないと得点できないと思うので、もう少しその点を前線の選手と練習で合わせていかなければと思います。相手に剥がせる選手がいて苦労したんですけど、(藤原)広太朗君もカバーしてくれましたし危ないシーンはそこまで多くなくいけたかなとは思うので、もうちょっと突き詰めて危ないシーンをもっと減らして失点ゼロで抑えていきたいです。
Q:次節に向けて
A:また1週間相手の戦術を全員で共有しながら、全員でしっかり頭に叩き込んで次の相手に臨みたいと思います。
PLAYER

佐藤 亮Ryo SATO
Q:試合の振り返り
A:勝てていない状況でもありますし、やっぱり勝ちたかった試合でした。自分達はまだまだできると思うし、まだまだやらなきゃいけないと思うし、1点取り返した後やその前にもチャンスはあったので、そういうところを追求していかないと、こういう試合で勝点3は取れないと思いました。
Q:得点シーンについて
A:練習では僕がターゲットになることはあまりなく、身長の高い選手にターゲットになってもらって自分は囮になる役割だったんですけど、あそこにスペースがあるのも自分の中で咄嗟に判断できましたし、マークも振り切ることができました。点を取りたいという気持ちもありましたし、うまく入っていけて合わせるだけだったので、決められてよかったです。
今年はサイドハーフをやらせていただくことが多い中で、アシストやゴールから遠ざかっていたので、今回こうして取れたのでこれをきっかけに自分が浮上していくきっかけになればいいし、自分がチームを浮上させる原動力になれればと思っています。このまま終わってしまっては意味がないですし、もっとチームを鼓舞しながら先頭に立って引っ張ってやっていきたいと思います。
Q:次節に向けて。
A:自分たちは戦術どうこうの前に闘う、走る、声を出すということを徹底しないと兆しは見えてこないと思います。例え勝てたとしてもそれは自信につながらないと思うので、サッカーのベースでもある闘う、走る、声を出すということをチームとして浸透させながら、その中で勝点3を拾う作業というのをしていくべきだと思います。また明日からチームに良い影響を与えられるようにやっていきたいと思います。