INFORMATION試合情報

天皇杯1回戦
ギラヴァンツ北九州
VS
鹿児島ユナイテッドFC

2022.5.22SUN13:00

白波スタジアム

試合終了

ギラヴァンツ北九州

ギラヴァンツ北九州

-

前半

後半

-

鹿児島ユナイテッドFC

鹿児島ユナイテッドFC

  • スタジアム
  • 入場者数
  • 天候/気温/湿度
  • 主審
  • 副審
  • 第四の審判員

MEMBERメンバー

REPORT試合経過

DATAデータ

5月22日の天皇杯1回戦はギラヴァンツ北九州にとって大事な一戦になりそうです。その理由の一つは対戦相手が鹿児島ユナイテッドFCであること。今季はJ2への復帰を狙うライバル同士、しかも同じ九州のチームとの対戦ですから単純に、負けたくありませんからね。

二つ目の理由はいまのギラヴァンツ北九州のチーム状況にあります。J3リーグの第9節・ヴァンラーレ八戸戦では引き分けによる勝点1の獲得を目前にしながら後半アディショナルタイムに不運な面もあっての失点で敗戦を喫しました。

八戸戦でのツキのなさも含めて、リーグ戦で2分け3敗と5試合未勝利の状況にある今は流れが悪いと言わざるを得ず、それを好転させる意味でも、週末の鹿児島戦で何らかのきっかけや手ごたえを得たいからです。

5月28日に控えるリーグ戦の相手が現在リーグ最下位のY.S.C.C.横浜であることも鹿児島戦で流れを変えておきたい理由の一つです。最下位チームが相手なら戦いやすいではないか、と思われるかもしれませんが、いまのチーム状況からするとプレッシャーに感じる可能性があります。

「絶対に勝たなければならない相手」ではなく「絶対に負けてはいけない相手」というとらえ方になるとプレーは慎重に、また硬くなってしまうかもしれません。

だから、今週末の鹿児島戦でどんな形でもよいから自信を手にしておきたいのです。最も良いのは勝利を手にすることでしょう。もしそれがかなわなくても得点を取りたい。リーグ戦での5試合で無得点という事実が、悪い流れを生んだ要因でもありますから。

鹿児島戦でどうやって自信を取り戻すかの話は後に回して、まずは鹿児島のチーム情報から紹介しておきます。九州のライバルということでサポーターの皆さんはご存じでしょうが、現在のJ3リーグの首位に立つチームです。

チームを率いるのは、2013年から15年までギラヴァンツ北九州において柱谷幸一監督の下でコーチを務めていた大嶽直人監督です。19年以来のJ2復帰を目指している鹿児島は今季、経験豊富な選手を中心に補強。それがいま、功を奏している状況です。

34歳のMF木村祐志選手は11年からの2シーズン、ギラヴァンツ北九州でプレーしたMFですから皆さんもよくご存知でしょう。木村選手以外の経験豊富な今季新加入選手を挙げると、湘南ベルマーレやアルビレックス新潟でのプレー経験を持つ広瀬健太選手(29歳)は4バックのセンターバックとして試合出場を重ねています。

モンテディオ山形や新潟でのプレー経験を持つ34歳のロメロ・フランク選手は主に[4-2-3-1]システムのトップ下で攻撃のタクトを振っています。

また、京都サンガF.C.、愛媛FC、昨季はヴァンフォーレ甲府でプレーしたFW有田光希選手(30歳)は1トップを務め、ここまでJ3リーグ戦9試合にすべて先発、チーム内トップの4ゴールを挙げています。

そういった経験豊富な選手を攻守の軸に据えてJ3リーグで6勝2分け1敗と着実に勝点を重ねている状況にあります。今季の鹿児島がどんなスタイルのサッカーをしているかは、昨季まで2シーズンにわたり鹿児島でプレーした藤原広太朗選手が分かりやすく解説してくれました。

「前から相手に圧力をかけるところは去年までと変わらないと思います。ただ、相手の出方を見ての守備をしているのが今年の特徴だと思います」

「攻撃に関して、去年までは後ろから丁寧にボールをつなぐ形でしたが、それと比べると今年はもう少しシンプルな形で相手ゴールに迫っているようです」

「攻撃にかける枚数はそれほど多くないようです。もっともそれは前線にタレントが揃っているから。人数を割かなくてもフィニッシュにまで持って行けている、ということだと思います」

「いまの鹿児島は1-0のゲームを含めて1点差で勝っているゲームが多い(6勝のうち4試合)のですが、それは調子の良さの表れであり、安定した攻守ができているからだと言えると思います」

鹿児島が天皇杯というカップ戦をどう位置付けているかによっては、リーグ戦での主軸以外のメンバーでこの一戦に臨んで来る可能性もあるわけですが、それでも「首位チーム」の肩書はプレーする選手に大きな自信を与えるでしょうから、難しい試合になる可能性は高いと言えるでしょう。

では、その鹿児島戦でどうやって自信を取り戻し、今の悪い流れを変えるきっかけをつかむべきなのか。やはり、チームカラーである相手の出方をしっかり見て攻撃的な判断を下して相手ゴールに迫る形を増やしていくこと、良い形の攻撃をつくり、得点チャンスをなるべく多くつくり、得点に結びつけることでしょう。

いまのギラヴァンツ北九州の攻撃面における課題は「相手の背後をいかにして取るか」ということです。そこがうまく行っていないので、第8節・松本山雅FC戦と第9節・八戸戦のここ2試合のシュート数が1本と2本にとどまった、とも言えるでしょう。

なぜ相手の背後をうまく取れないのか。これに関して天野賢一監督は二つの視点で分析していました。

「一つは背後を取ることの概念の捉え方が問題です。相手の最終ラインの裏にシンプルにロングボールを入れる傾向がここ数試合は強くなっています。時にそれも必要ですが、前線の選手が相手ゴールに向かってボールを追いかける形をつくることが、背後を取る、ということではありません」

ボールを持った選手、あるいはそれにかかわる選手との連係で、ボールを自分たちのものとした上で相手の背後を取らなければチャンスにはならないし、シュートを打つ形にまで持って行けない、ということなのでしょう。

そして天野監督は続けます。

「後ろの選手(最終ラインの選手やボランチの選手)がボールを前に運び出す、自分がフリーならばそれは当然のこととして、また相手がプレスをかけてきてもそれをかわしてボールを前に運べるかが、僕らの攻撃の肝なんです」

2トップやサイドハーフの選手たちの基本姿勢として、後方に降りて来てボールを受けるのではなく、なるべく高い位置をキープしてプレーする、というのが天野流です。その中で後方の選手たちがボールを前に持ち出して前線の選手との距離を縮める。

これによって、いわゆる「陣形をコンパクトにする」ことができます。最終ラインから前線の選手までの距離感を短くすることで陣形がコンパクトになるわけですが、天野流は前の選手が下がることでそうするのではなく、後方の選手が前に出ることでつくりだす、ということです。

そうすると陣形は相手陣内寄りになります。それによって相手ゴールまでの距離が短くなる。また味方同士の距離が近くなることで、相手にボールを取られないボールの動かし方をすることができるし、連係プレーが多彩に、また連続性を伴う精度の高いものとして表現できる。その結果、相手の背後が取れる。そういう考え方がそこにあるようです。

理論として分かっていても、相手があり、芝や天候の状況、それからチーム状況によるメンタル的な状態もかかわる中で、それをピッチで表現するのは簡単なことではないはずです。それでも、それを実現してやろうとの挑戦心や意欲が今の苦境から抜け出すための、ひいてはJ2昇格を成し遂げるための原動力であるはずなのです。

苦しい状況での一戦、選手の意欲的な挑戦に期待します。

[文:島田 徹]

COMMENT監督コメント

MANAGER

天野 賢一Kenichi AMANO

[試合総括]
なんとか勝って次の長崎戦につなげたいと考えて臨んだゲームでした。相手は予想したメンバーとかなり変わっていたんですけど、相手の攻撃のやり方、守備のやり方を整理した中で臨んだゲームでしたが、前半はなかなか自分達の攻撃の狙い、守備の狙いが出せなかったです。守備に関しては、少し最初に長いボールで背後を突かれたのもあって、前の選手の取りに行く意識と最終ラインのコントロールの部分でうまく意思疎通が合わずに少し間延びしていた時間がありました。その辺は前半の途中に前を少し下ろす形にしてコンパクトにした状態から守備に行くように少しずつ修正していきました。それは後半も同様です。

攻撃に関しては相手の4-2-3-1の守備に対して、例えばうちのセンターバックからサイドバックのところには結構スペースがあって、前半の最初の方はそこを起点にしながら相手の背中に入って行ったりということができていたんですけど、徐々にそういうことができなくなって少し追い込まれたような状態がありました。
後半はそこを整理して、メンバーを入れ替えながら0-3の状態から最後はゴールが決まっていたら逆転できるような雰囲気にまで持って行ってくれたので、そこら辺は途中から入った選手の頑張りというのはあったのではないかと思っています。
天皇杯は終わってしまいましたが、リーグ戦のYS横浜戦に向けて今日の悔しい気持ちをバネにして、もう1回戦術的にも整理して戦う姿勢を持ち、次の試合に向けて準備していきたいと思います。

Q:試合が終わった後に長めにミーティングをされていましたが、どのようなお話をされたのでしょうか?

A:なかなかチームがうまくいっていない状態なので、実際にチームとしてこういうプレーをしようと皆で準備してきたことが、ゲームが進んでいく中で少し上手くいかないと、ちょっとチームとして崩れてしまうような状態があります。メンタル的な問題、戦術的な問題もあるし、個人のプレーの質の問題もあるんですけど、そういうことをもう1回見直してチームとしてまとまりを持ってやっていこうという話をしました。相手に向かっていく闘う姿勢とかそういうものはベースとして大事なことだし、今日も球際の部分だったり走る部分だったり闘う部分というのは鹿児島さんに上回れていた時間帯が多かったと思います。後半はそこら辺を立て直したことによって、途中から出た選手がパワーを出して実際逆転まで行ける状況は作ったと思うんですよね。それを前半からやらなくてはいけないということを選手に話をしました。

COMMENT選手コメント

PLAYER

前川大河Taiga MAEKAWA

Q:今日の試合を振り返ってください。

A:今日は相手のビルドアップの部分ですごく剥がされて、ロングボールも裏に通されてというのが続いてすごく苦しい展開で、なかなか前半に流れがつかめなかったと思います。なかなかボールの所にプレッシャーに行けなくなったので、前半は我慢して中を閉めて外で回させようということは話していました。ハーフタイムに、ビルドアップの部分でもう少し落ち着いて、相手の陣地でボールを回して自分達の流れをつかむ、あとはプレッシャーの部分でもう少し行けるところは前から行って連動しようという話もしていました。

Q:リーグ戦に向けてやっていきたいこと、やらなくてはいけないことは?

A:全体が連動して前からはめに行くというところをシーズン初めの頃はできていたので、そこは大事かなと思います。あとビルドアップのところでもう少し自信を持ってやるべきかなと思います。

Q:次節ホームゲームの意気込みを聞かせてください。

A:ホームでできますし見返すつもりで、サポーターにも楽しんでもらいたいですし、やるべきことをしっかりやりたいです。最低限頑張る姿勢だったりというのは見せなければならないと思います。

PLAYER

中山雄希Yuki NAKAYAMA

18

Q:今日の試合を振り返ってください。

A:チームとしてなかなか良い状態ではなかったので、今日の天皇杯こそチームとして必ず勝つという意気込みで臨みましたが、結果的に1-3で敗戦となってしまってすごく悔しい気持ちしかないです。自分としても鹿児島というクラブはお世話になったクラブですし、半年間ではありましたけど、自分のサッカー人生の中でもすごく濃い時間を過ごさせてくれて感謝しかないクラブだったので、そういった相手に対して必ず勝ちたいという思いはあったんですけど、こういう結果になってしまって残念な気持ちでいっぱいです。

Q:今季初ゴールとなりました。

A:チームとして得点を取れていなかったので、セットプレーからの流れでしたけど、結果的に得点を取れたというのは良かったと思います。ただ、流れの中やチームの強みであるサッカーをしたうえでの得点ではないので、そういったところをもっと突き詰めてやらないといけないと思います。シュート数やチャンスは増えてきているので、しっかり前線の選手が決めきる力をつけないといけないと思っています。

Q:後半のようなプレーを前半からするために必要なことは?

A:相手がいることでなかなか難しい面も出てくるとは思うんですけど、しっかりチームとしてやるべきことを1人1人がやらないと後半のようなサッカーにはならないですし、前半から全員が1人1人勢いを持ってやらなくてはいけないと改めて今日の試合で感じました。

Q:試合後に選手たちで話したと思いますが、どのような話がありましたか?

A:チームとしてここから本当に勝つという気持ちを持ってやっていくしかないという話をしましたし、選手同士で試合についての話もしました。やっぱり1人1人が上手くなるため、勝つため、今日鹿児島の地まで応援に来てくださったサポーターのため、そういった感謝の気持ちを持たなきゃいけないというのは自分自身も思うし、チームもそういった思いを持ちながらプレーしないといけないと思います。もう1度そういう根本の部分、サッカー選手以前に人としてどうあるべきかというところをもっと意識しないといけないと思います。

PHOTO GALLERYフォトギャラリー