INFORMATION試合情報

2024明治安田J3リーグ 第30節
いわてグルージャ盛岡
VS
ギラヴァンツ北九州

2024.9.29SUN14:00

いわぎんスタジアム

AWAY

試合終了

いわてグルージャ盛岡

いわてグルージャ盛岡

前半

後半

ギラヴァンツ北九州

ギラヴァンツ北九州

 

  • スタジアム
  • 入場者数
  • 天候/気温/湿度
  • 主審
  • 副審
  • 第四の審判員

MEMBERメンバー

REPORT試合経過

DATAデータ

前節のミクスタでの岐阜戦は4試合ぶりの複数得点、無失点で2-0の勝利、連敗を3で止めました。

先の13戦無敗の記録は第13節での岐阜戦勝利から始まったもの。再び好調の波に乗るきっかけになるのではないかとの期待を皆さんが持てるような勝利になったのではないでしょうか。

岐阜戦は相手と同じ[3-4-2-1]のフォーメーションでスタート。ただし、増本浩平監督は一般的に守備的なイメージがある3バックを攻撃的な視点に立って採用します。

もちろん、相手に押し込まれたときには最終ラインに5枚が並んでスペースを消すのですが、それでもやはり主眼は攻撃にあります。それは2-0というスコアにも表れました。

3バックをスタートから採用したのは第5節のFC大阪戦以来のこと。実は岐阜戦前に「3バックの練習はそんなにしていない」と増本監督は話しています。

それでも3バック採用を決断したのは、岐阜の特徴を踏まえた上で自分たちの狙いを実行するための手段だからでもあるでしょうが、増本監督は「選手への信頼感があったのでやってみた」と話しています。

そして結果は無失点。増本監督は「個別にまた全体として少し(3バックでのプレーに関して)話しただけで、あれくらいできるようになったところに個人とチームの成長を感じる」と目を細めていました。

3バックの中央でプレーした杉山耕二選手は岐阜戦での3バックの出来とシステム変更にもかかわらず混乱することなく無失点に抑えられた要因について次のように振り返っています。

「久しぶりの割にはうまくいったと思います。それはチームとしてやろうとしている全体像を皆でしっかり共有でき、フォーメーションが少し変わったくらいではブレない、崩れない状態になっているからでしょう」

良い内容と結果を示した岐阜戦ですが、残念な出来事もありました。GK田中悠也選手の負傷です。

すでにクラブからリリースがあった通り、田中選手は長期離脱することになりました。このことに関して増本監督はこう話しています。

「ここまでユウヤのお陰で勝点を手にした試合がいくつもありました。それだけの働きを見せてくれていた選手が負傷し、長期離脱することになったのは本当に残念です」

「けれども岐阜戦では急きょ出場したゴウ(伊藤剛選手)が落ち着いたプレーをしてくれて無失点につなげてくれました」

「アクシデントに見舞われながら無失点で連敗を阻止できたのは、吉川脩人GKコーチがキーパー・グループをうまくまとめ、強化をしてくれているからでもあります」

「ユウヤ以外の3選手は出番がなく悔しい思いをしているはずですが、その中でもそれぞれがトライし続けてくれていたからこそ良い競争ができ、それが岐阜戦のゴウの良いプレーにもつながったと思います」

吉川GKコーチにも田中選手の負傷離脱とここからのGK陣のリードについて聞きました。

「ユウヤに起こったことは変えることができません。だから僕はキーパー・グループをいかに前向きな気持ちにさせるかに努めたいと思います」

「キーパー3人を含めた選手たちは皆、『ユウヤのために』という気持ちになっているはずなので、僕はそれをうまく良い方向に持って行きたいと思います」

「ユウヤの離脱は残念だし、痛い。でも、誰が出てもそれぞれの良さを出すことで異なるプラスアルファをチームにもたらすこができます。例えばゴウならキックという武器で攻撃に良い効果をもたらせます」

「だから、ユウヤの不在によってチームに大きな穴が開くことはないと考えています」

さて、気持ちを切り替えて今節の『いわてグルージャ盛岡』戦に話を移します。まずは岩手の現状から。順位は19位のY.S.C.C.横浜に勝点10ポイント差の最下位となっています。

5月に昨季9月から指揮を執っていた中三川哲治監督からGM兼強化部長を務めていた神野卓哉監督へ、8月に神野監督から星川敬監督へ、3度の監督交代。それだけ苦しいシーズンになっているということです。

第29節時点の岩手の総得点19はリーグ最少、総失点56はリーグ最多と、攻守両面で苦しい数字となっています。しかし増本監督は岩手を「難しい相手」と言います。その理由は……。

星川監督が指揮を執るようになった第25節のテゲバジャーロ宮崎戦から前節・YS横浜戦までの5試合と、それ以前の1試合平均得点数と1試合平均失点数の比較データはこうです。

1試合平均得点数は「0.625」から「0.8」へ増加。1試合平均失点数は「2.0」から「1.6」に減少しています。

星川監督は以前指揮を執ったYS横浜でそうであったように攻撃的なスタイルを軸にしたチームづくりが得意な指揮官です。

夏に加入した道本大飛選手が「ある意味、相手を殴り続けるような、それで2点、3点取っていくスタイル」と話すように、星川監督就任を機に攻撃的なスタイルへ変化、攻撃でパワーを発揮することで失点数も減少した。そう考えることができます。増本監督もこう言います。

「星川さんが指揮を執るようになってから、岩手のサッカーはとても整理されたように思います。また4バックから3バックへシフトしてボールをうまく動かそうという狙いも感じます」

「河辺駿太郎選手、道本選手ら夏に加わった新戦力選手も良い働きを見せているし、今季一度目の対戦(第2節、1-1の引き分け)からの変化を感じます」

「また前節のYS横浜戦でもかなり惜しいシーンがありました。そこに至る攻撃の崩しのパターンも多かった。だから岩手は難しい相手になると思います」

簡単な試合にはなりそうもない岩手戦に向けて選手にも話を聞いています。

「岩手は残留をかけて死に物狂いでくるだろうし、僕らは昇格へ向けての強い思いがある。そのメンタル面のぶつかり合いのゲームになるはずなので、まずは気持ちの部分で負けないように」(杉山選手)

「相手は最下位ですが、受けることなく積極的に試合に入れるかどうかが大事。積極的なトライを試合の入りからできるかどうか。そこを強く意識して試合に臨みたい」(井澤春輝選手)

岩手はここまでファウル数がリーグ最多。このあたりの傾向はもしかしたら星川監督就任後に変化が表れているかもしれませんが、セットプレーから得点チャンスが生まれる可能性は高いと考えられます。

前節の岐阜戦でCKから自身Jリーグ初ゴールを挙げた工藤孝太選手に話を聞きました。

「ようやく取れました。それまでに良い感覚で合わせることができていたので、そろそろ取れそうな気はしていたんです」

「初ゴールに興奮して試合後のインタビューでは何を言っているのか自分でも分からない状況だったし、ゴール後にアシストしてくれたケニー(藤原健介選手)から靴磨きのパフォーマンスを要求された時も、一度もやったことがなくポカンとしてしまいました」

「だけど、一つ決めることができたので、ここからはいろんなことに慌てず対処できると思います(笑)。あと2ゴール、計3ゴールを今季中に決められるように頑張ります。もちろん岩手戦でも狙います」

岐阜戦の勝利で4位に浮上しましたが、増本監督は岩手戦に向けてこれまでと同じ言葉を繰り返します。

「大事なのは最終的な順位。プレーオフ圏内をキープするとか、自動昇格となる2位まであと勝点差がいくつとか、そういうことは考えず、目の前の試合に勝つことだけに集中します」

まずはアウェイでの岩手戦。ともに闘い勝利を目指しましょう!

[文:島田 徹]

MATCH DATA マッチデータ

STATS スタッツ

スタッツ スタッツ

THE LAST TIME STARTING LINEUP

GK 1 大久保 択生
DF 25 大和 優槻
DF 24 山内 舟征
DF 20 下上 昇大
MF 30 安達 秀都
MF 17 新里 涼
MF 41 道本 大飛
MF 45 水野 颯太
MF 15 加々美 登生
FW 7 深堀 隼平
FW 39 河辺 駿太郎

THE LAST TIME STARTING LINEUP

GK 27 田中 悠也
DF 4 長谷川 光基
DF 50 杉山 耕二
DF 13 工藤 孝太
MF 17 岡野 凜平
MF 34 高吉 正真
MF 6 藤原 健介
MF 33 乾 貴哉
MF 29 高 昇辰
MF 21 牛之濵 拓
FW 10 永井 龍

RADAR CHART レーダーチャート

レーダーチャート レーダーチャート

PATTERN 得点パターン

得点パターン 得点パターン

RANKING 得点ランキング

得点ランキング 得点ランキング

HOT ZONE ホットゾーン

ホットゾーン ホットゾーン

COMMENT選手コメント

PLAYER

工藤 孝太Kota KUDO

18

Q:前節を振り返ってみて

A:セットプレーで早い時間に点を取ることができましたが、チャンスを活かせずに追加点をあげることができなかったので、今後決め切れるようにならないといけません。後半は相手に押し込まれてしまい、危ないシーンが何度かありましたが、失点0で抑えることができたことはよかったと思います。90分を通して、全員で守ることができ、うまく試合を運べた印象です。

Q:クリーンシートで試合を終えました

A:ポストに2回当たったシーンは危なかったと思います。誰が行くのかをはっきりできていなかったので、次に向けて改善します。前の選手含めて全員で守った結果がクリーンシートに繋がったと思います。

Q:次回のゴールパフォーマンスは決めていますか

A:決めていません。(笑)その場の雰囲気で決めたいと思います。

Q:次節、いわてグルージャ盛岡戦に向けて意気込みをお願いします

A:ここから上に行くためには、絶対に勝たないといけない試合です。遠い岩手まで来てくれるサポーター・リモートで応援してくれているファン・サポーターのために必ず勝利して、喜びを分かち合いたいです。J2に昇格するために、悠也の思いを背負って闘います。

COMMENT監督コメント

MANAGER

増本 浩平Kohei MASUMOTO

[試合総括]
(いわてさんの)前節のゲームを見てゴール前に結構入っていく形はいわてさんが持っていたのを見ていたので、そこは警戒しなきゃいけないと思っていました。その点はそんなに回数が多く出たかというとそうでもなかったと思うんですけど、河辺選手の抜け出しでやられてしまったというのは、今治・大宮戦辺りから走られて得点というのが続いているので、ボールを保持したいというところや意図的に崩して完結しに行きたいというのでいくと、引っかかってからのトランジションのところやカウンターでやられてしまっているというのは改善していかなきゃいけない課題です。

ゴール前に入っていく形や、今日はシュートに行く形もかなりいい形でできていました。1失点してから形を変えて5-4-1や3-4-3でシステムを当てたとこから4-2-3-1に変更してボランチをちょっと使わせないようにということと、簡単に展開されすぎていたのでそこを遮断する意味でシステムを変えてそこがはまったと思います。ずっと今期やり慣れている形なので、その形の方がスムーズにいったのかなという風には思います。ただどうしても5バックで来るチームはウィングバックのポジションがフリーになりがちですし、今日みたいに逆に展開された時のウィングバックは4枚でやるとなかなか捕まえづらかったりそこで起点作られたりするので、それを消しに行く。これから5バックのチームが多いので、そこに対して準備をしてきましたけど、結果としては4-2-3-1の方がうまくはまったのかなという風に思うと、そこに関しては僕の失策だなという風に思います。
今日も結果としては3-1という結果にはなってしまいましたが、矢田(旭選手)のシュートがポストに当たったシーンと、渡邉(颯太選手)がプッシュしきれなかったシーンはほぼ入ってもおかしくないようなものだったと思うので、ゴールに近いところまではできていると考えると、次に繋げていくためにはいいところも出たのかなと思っています。

COMMENT選手コメント

PLAYER

杉山 耕二Koji SUGIYAMA

18

Q:試合を通じて3失点と、少しミスや隙が生まれたシーンもあったと思いますがいかがですか?

A:アウェイのデーゲームでいろいろな状況や環境がある中でのゲームだったんですけど、そこは言い訳にはできないですし、3失点は自分たちのミスであったり、自分たちが起こしてしまった失点だったので真摯に向き合わないといけないと思います。今治・大宮と3失点が続いて、前節は無失点でしたが、複数失点が続いているということは守備の選手としてはすごく責任を感じます。守備が安定していたからこそこれまで勝点を積み重ねていたと思うので、もう1回見直さなきゃいけないかなと思います。

Q:攻撃もチャンスはありながら決めきれないシーンがありました。攻守の部分で際の部分が課題になりますか?

A:そこはシーズンを通しての課題だと思います。残り8試合になりましたけど、そこについても本当に最後の最後までしっかり突き詰めなきゃいけないです。ゴールが決まれば勝てますし、ゴールを守れれば勝てるので、徹底してやっていきたいです。

Q:プレーオフ争いがまだ続きます。意気込みを聞かせてください。

A:今日は本当に悔しい結果になりましたけど、誰も下を向いてないですし、J2昇格に向けて今1度全員で前向いてやっていこうと思います。

PLAYER

高 昇辰KOH Seung Jin

18

Q:今日の試合を振り返ってください。

A:前半からあまりいい形での攻撃もなくて、攻め急ぐ場面や、自分たちの形ややりたいこともできずに嫌な時間で失点してしまって、そこからまた後手になってしまったと思います。

Q:得点シーンを振り返ってください。

Aその前のシーンで(矢田)旭くんがちょっと手前でキーパーにキャッチされた同じ場面があって、同じようなところで旭くんがいいボールを上げてくれたので突っ込みました。

Q:FWでのゴールは久しぶりでした。高昇辰選手にとってそれは意味があるものですか?

A:やっぱり自分としてはフォワードしてきたという自負はあるので、そこで点取りたいです。右サイドでもゴールを取っていかないとと思っていますが、今日のゴールは自分の得意な形で点が取れたというのは自分の中ではすごく大きいです。

Q:次節はアウェイで相模原戦となります。意気込みをお願いします。

A:これから8試合、全ての試合が難しくなると思うし、1つ1つの試合がこれから重くのしかかってくるような試合ばっかりなので、そういう1試合1試合を大事にして、試合に来れてない選手の分もしっかり背負ってまたここから勝点を拾っていけるように頑張ります。

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